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党員用討論欄

若干の行き違い

1999/10/27 春野暁、30代、団体職員

 「多国籍軍支援は憲法に矛盾せず」(10/13)というフンコロガシさんの投稿からはじまり、雑草さん、編集部STさん、木村さんから反論がありました。それにさらに答えるかたちで、フンコロガシさんから「再び東ティモール問題」(10/19)という投稿がありました。その後も澄空さんも参加して討論がつづいており、興味を持って読んでいます。
 往復する議論のなかで、「だとすれば、確かに私もその論理には疑問を感じます」(19日、フンコロガシさん)とか、「国際世論と運動の力」の重要性(24日、澄空さん)などのそれなりに共通認識や討論の深まりがすすんでいるように思います。ただ、木村さんとフンコロガシさんとの投稿のなかで若干の行き違いもあったようなので、私の感想を述べた上で今後の討論にいっそう期待するものです。

 まず、フンコロガシさんが「再び東ティモール問題」(10/19)のなかで、論点①として「戦争と治安回復行動の分離」ができない理由として、治安回復行為が戦争であるなら、日本ではオウムのようなテロ行為に対応することができないと反論されています。引用します。

戦争と治安回復行為、これらの境目が明確に分離できないとしたら、大変な事になってしまいます。もし我が国で何らかの武装組織が東ティモールのような虐殺行為を起こしたとしたら、これを制圧する行為は戦争行為となりかねず、戦争を禁止した憲法に違反し、これを阻止する事はできない事になります(もっとも、憲法は国内での戦争は放棄していないと言うのでもあれば話は別ですが・・・)。現実にサリンや自動小銃を製造してまでそのような行動を起こそうとした組織が存在したことは、誰もが知る事実です。木村さんが疑問を持った「同様の行為」と言うのはこの様な「日本国内で武装組織が起こす虐殺・争乱」と言う意味です。

 次に論点②として、資金援助ができても、人的援助ができない理由について、日本には対抗組織が違憲の自衛隊しかないと返答されています。念のため引用します。

治安を維持し取り締まるのは普通警察の役割です。しかしながら東ティモールの場合、武装民兵は強力な武器を装備しており、日本においてはこれらに対抗しうる組織は自衛隊以外にはありません。しかし自衛隊は存在自体が憲法違反であるため、その目的に関わらず派遣自体も同様に憲法違反になります。

 以上のうち、論点①は、憲法9条「国際紛争を解決する手段としては」とあるように、対外的な問題を指していますから、反論としては不十分だと私個人は思いましたが、論点②は、いってい当を得ていると思いました。
 ただし、①と②をあわせ読むと、国内では武力による制圧自体は必要な行為であり、その担い手は自衛隊であるというような文脈にとれなくはないため、ややわかりにくさのある文章かなとも感じました。
 この点では木村さんが、そのように読まれたようです。19日の投稿で、

「日本国内で武装組織が起こす虐殺・争乱」に対して、「日本においてはこれらに対抗しうる組織は自衛隊以外にはありません」と述べています。この主張は、破防法を持ち出した日本の支配層でさえ行わなかったものであり、その意味で、東チモール問題にかこつけた危険極まりない極反動の見解であります。

 これは、論点①と②が結合してとった場合のものであり、もしそう読むのであれば、確かにたいへん危険な内容であり、警鐘を鳴らすべくした木村さんの対応は党員としてまったく妥当であると思います。
 しかし、これはフンコロガシさんがあわてて反論したようにやはり誤解だったようですね。正直私もほっとしました。「行き違い」とは、まさにこのことですね。引き続き今後の討論に期待しています。