年末の新聞を見て驚いた。共産党は今年予定の参議院選挙の選挙区候補者を沖縄を除き決定したとあった。参議院の選挙区といえば大都市部を除けば大体は定数1の小選挙区状態である。まあ大都市部の現有議席のある選挙区の候補者擁立は納得できるとして、おいおい、また勝てもしない選挙区に候補者を立てて大量死票を出して自民党政権の延命に寄与する気かい!
自民党はまたも胸をなでおろした事であろう! 政権与党の公明党からは創価学会票が来て、相対する民主党には共産党が壁となって集票を妨害してくれるというわけである。自民党にとっては公明党は表の政権与党、共産党は影の与党というわけである。
今度の参議院選挙で自民党が単独過半数を実現すれば間違いなく憲法改正は実現に向かって動き出すであろう。そうなれば後世の歴史家は共産党が二回の選挙(昨年の衆議院選挙と今年の参議院選挙)で全小選挙区と全選挙区立候補にこだわったために自民党は政権維持に成功し憲法改正を実現できたと評価するであろう。
敢えて言うが万が一共産党が選挙区での立候補を取りやめててその結果民主党が躍進、あるいは過半数を押さえても憲法は改正に向かって動き出すであろう。なぜなら民主党は基本は論憲でありその上での改憲なのであるから。つまりどっちに転んでも共産党の言う「憲法を守れ」=現憲法に指一本ふれさせない改憲阻止はもはや実現不可能なのである。ならば残された選択肢は「自民党流の憲法改正」を阻止できるかどうかと少しでも国民の利益となる主張を改憲論議の中で盛り込んでいくしかないのである。(私はその最も手っ取り早い方策は共産党が解散して一挙民主党に入党して論憲に参加して民主的憲法改正論をリードするのが一番効率的だと思うが)
この期に及んでも「憲法を守れ」一点張りでは益々国民から見放され結果としては自民党の政権維持に寄与することになり自民党流憲法改正を助けることになるのである。
これが「愚!」でなくて何であろうか! 今一度言う共産党に残された歴史的選択肢は「身を捨てて義に貢献する」事である。全ての共産党員、支持者は全選挙区立候補を取りやめるよう党中央に声を寄せるべきであろう。今度こそ最後の最後のチャンスである。