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一般投稿欄

提案;唯物論的弁証法を

2004/1/19 笠原一浩、20代、司法修習生

さざ波通信の皆さん、はじめまして。
政治的スタンスは違えど、人権・平和のため真摯な民主的議論に努めておられる皆様 に心から敬意を表します。
なお、私は7年前に新党さきがけ学生部に入った後、そのまま「みどりの会議(中村 敦夫代表委員)」サポーターをしております。

さて、本題です。
民主党以外の野党勢力にとって、「民主党とどう付き合うか」というのは、一つの大 きな課題であり、このサイトでも大議論がなされています。
周知のとおり、民主党は、はっきり言って「政党」の名に値しません(憲法学のテキ ストには、「政党」とは「政治上の意見を共有する人々が政治権力を獲得して意見を 実現するために組織した結社」と書かれています)。また、民主党には自民党より右 寄りの人も少なくない、というのもれっきとした事実です。
ただ一方で、民主党を攻撃するあまり、いたずらに対決していては一体誰を喜ばせ、 どのような結果を招くか、というのも火を見るより明らかでしょう。

そこで提案なのですが、ここは「唯物論的弁証法」の知恵を借りてはいかがでしょう か。
つまり、正(テーゼ)、反(アンチテーゼ)を踏まえ、双方の要請に応える合(ジン テーゼ)を見つけることです。

まず、政権交代までは、「憲法改正を議題に載せない」等の重要事項さえ担保できれ ば大胆に譲歩し、とにかく自公政権打倒を最優先しましょう。
民主党の政策が不鮮明であり、政策テーマによっては自民党以上に環境破壊の側に立 つ(例;高速道路無料化)、といった問題点にもかかわらず、有権者が民主党に一応 の支持を与え、前回総選挙で社民・共産を敗北させたのは、「幾ら理念・政策が大事 といっても、まず旧体制を破壊するのが最優先であり、それなしには政策実現もあり えない」ということを多くの人々が本能的に察しているからだと思います。

そして、本格的な勝負はその後です。
共産党が変わるにせよ変わらないにせよ、さざ波の皆さんが共産党にとどまるにせよ 否にせよ、ここに参加しておられる方々の役割は、今後きわめて重要になると思いま す。

おそらく政権交代後、自民党自体は崩壊し、腐敗・癒着の構造もかなり解消されるで しょう。
しかし、いつの時代も権力あるところ、そこに群がる人が生じます。おそらく、民主 党政権になったら自民党から民主党に鞍替えする人が続出することは間違いありませ ん。民主党は日増しに「ネオコン」の色合いを強めていくことでしょう。そうした 「政権の変質」に反発する世論が必ず上がってくると思いますので、そうした声に対 応する勢力を作ることが社民党、みどりの会議、etc…を問わず、平和、環境を希求 する人間の課題といえます。

一方、自民党にも少数ながら「環境派」「リベラルの流れ」は存在します。そうした 方は、旧体制が崩壊したことには胸のすく思いがしても、与党に入ることにはためら いを覚えることでしょう。また、一部民主若手のタカ派志向には危ういものを覚える かもしれません。
その時は、かつて「新党さきがけ関西学生部副部長」だった者として、園田博之さん をはじめとして、自民党内のさきがけ系、またはさきがけ的議員の方々が「リベラル の流れ」を作るため、行動を起こして下さることを期待しています。いや、きっと起 こすことでしょう。また、こうした方々は、平和主義にリアリティを持たせる上で欠 かせない存在といえます。

そして、「みどりの会議」が適切にこの時代の哲学を追求すれば、社民党、自民党離 党組、さらには民主党に嫌気が差した環境派議員を結集して一大平和主義勢力を構築 することも可能なだけに、私たちとしてはそのときに備えて政策体系を磨いておきた いと思います。

そして、信頼できる環境派=平和主義勢力として再スタートするためには、この流れ に参加する全ての者は、かつての革新勢力の遺産を徹底的に分析して、次代につなげ ることが必要でしょう。

そのためには、私たちとしても
「かつての革新勢力は平和を叫ぶだけで、平和を実現するための経済構造変革にそれ ほど熱心ではなかった。そもそも歴史上、紛争の原因は「経済発展」のため、外に市 場を、資源を求めることにあったのだから、そこを変えていく必要がある。」
という「エコロジストの平和テーゼ」を振りかざすだけでは不十分でしょう。いや、 その理論を現実化するための政策を考えても、それでも足りないかも知れません。な ぜなら、「経済構造の変革」にあたっては、その政策がどんなに必要であっても、必 ず
「苦しい状況に追いやられることになる、立場の弱い人、持たざる人」
が出現するからです。
いくら社民党や共産党の歴史的役割が終わったといっても、そのバトンを継いで平和 主義のレールを走ろうとする者は、旧時代を担った人を非難するのではなく(勿論、 拉致事件や辻元事件、その他の過ちについて徹底的な検証をするのは当然ですが)、 かつて革新勢力に真剣な思いを託した人々の声を真剣に聞いて、そこから学んでいか なければならないと思います。

そのためには、皆さんのお知恵が是非必要です。共産党の組織体質では残念ながら、 こうした新しい流れに参加することは著しく困難だと思いますが、皆さんが築き上げ た知的財産は今後ますます重要になって来るでしょう。
ですから、さざ波の皆さん、是非いろいろ教えて頂ければ幸いです。
それでは今後ともよろしくお願いします。