大阪府門真(かどま)市の革新無所属市議の戸田ひさよしです。当方のHP「自由論争掲示板」
への私の書き込みを投稿させてもらいます。
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共産党内左派の離党新党結成路線の表明か?「苦難の行軍」に注目するが
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さざ波トピックス(04.1.17)末尾の「この困難を直視し、共産党の革命的再生な
どという幻想を持つことなく、長期にわたる闘争を地道に草の根から組織しなければ
ならない。」、「党全体の再生は不可能にしても、できるだけ党内に分岐と亀裂を作
り出し、救える部分は最大限救い出さなければならない。」という記述に戸田は注目
する。
これはさざ波通信グループが、ついに不破体制共産党に見切りを付けて公然たる分
派闘争、集団離党、左派新党結成の方向に踏み出す決断をしたことを公表したものだ
からである。
おそらくグループ内で「新党結成しかない」との判断がある程度以前からあって、
その準備工作・思想工作としてさざ波通信HPでの言論活動が積み重ねられてきたの
だろうし、今すぐ離党新党結成を表面化させるわけではないかもしれないが、離党新
党結成の公然たる狼煙(のろし)を上げたという意味で、この記述は重要性を持って
いる。
さざ波集団はルビコン川を越えたのだ。
しかしながら、かつての共産党内分派や反主流派、新左翼集団の歴史を見るまでも
なく、「新たな革命党(政党)を作る」という事業は非常に困難であり、革命性・大
衆的影響力・国政への影響力を兼ね備えた政治組織の建設は前人未踏の領域
である。
執行部を批判しているうちは「同志」と思えても、離党によって「共通の敵」を失
い自分達で自前の組織と運動・闘争を作る段になると相互の違いが露呈して四分五裂
になってしまうのは常に起こってきたことだし、革命的理論と信念や決意があっても
一定以上の財政力と人員がなければ組織の維持もできないことも事実である。
そこらへんをさざ波グループはどうクリアしていくのか、注目していきたい。
ところで「確固としたさざ波集団員」って何人くらいいるのだろう。
共産党の党員数が公称(党大会発表)40万3780人、党費納入の実質党員数が69.8%・
28万人(+党費長期未納・名簿上だけの幽霊党員30.2%・12万人)
http://www2s.biglobe.ne.jp/~mike/senkyoren.htmということなので、実質28万
人としてその1%で2800人、0.5%でも1400人、0.1%で280人、0.05%で140人。
まったくの当てずっぽうだけれども、現有勢力としてはこの0.5%から0.05%の範
囲じゃないだろうか。(はずれていてもっと多かったら、さざ波さんご免なさい)
0.1%だとしても人数で280人としたら、そこいらの新左翼や市民派の小集団よりも
ずっと多いことになるし、「分水嶺」を越えた今、本格的にオルグを始めていくこと
によって10倍化くらいはする可能性はあるだろう。
おそらく離党新党結成にあたっては、共産党内からの情報集と獲得工作のために相
当数の確固たるメンバーを「草」として共産党内に潜伏させつつ、首都圏などの重点
地区を設定しつつ、効果的な「デビュー」のタイミングを計っていくだろうから、
「さざなみ共産党結成(仮称)す!」のニュースは1年程度先になるかもしれない。
願わくは、そのデビューが左翼事情通紙だけのネタでなく、一般マスコミのニュー
スとして大衆に清新な希望を持たせるニュースとして現れることを。
それなりの陣容を持った新党結成に至るまでの過程も大変だろうし、結成後の継続
と拡大はもっと大変だろうと思う。
ひとつには宮顕・不破体制下で長年洗脳されてしまった圧倒的多数の共産党党員・
支持者の無理解低レベルと誹謗中傷攻撃があるだろうし、一方で「日本共産党なんて
そもそも反革命・もしくはナンセンス」とする旧新左翼や「市民派」からの冷遇冷笑
や「共産党がやった○○について自己批判せよ」というような攻撃、そして権力資本
と右派からのあらゆる攻撃があるだろう。
(新左翼の中では革マル派からの謀略的攻撃が一番やっかいかもしれない。さざ波
=革マル派という風聞情報も既に流されて久しいし。戸田はこれはデマだと思ってい
るが。)
そういった攻撃と闘いながら、なおかつ民衆に分かり易く、革命・革新の勢力全体
の前進にプラスになるように、さざ波グループの方々が奮闘されることを戸田は期待
している。
ただし、「自衛隊の海外派遣反対や憲法改悪反対が大事だからという理由で共産党
指導部に対する批判を回避することは絶対に許されない。この批判を回避したり沈黙
したりする者は、実際には共産党の裏切りに手を貸し、日本の帝国主義化と反動化に
貢献しているのである。」という主張は、さざ波グループの存立にとっては切実なこ
とではあっても、また共産党員や支持者に対する啓蒙宣伝としては大事なことであっ
ても、それ以外の大衆や活動家にとっては今さら大声で言うようなことではなく、
「違いを飲み込んだ上での共同」こそが大事だと考える。
そうした相互理解の上で、近い将来、例えば連帯ユニオンと「さざ波新党」との共
闘もできたら嬉しい話だと思う。(共産党指導部の闘争裏切りと1983年に決別した者
達と2004年に決別した者達の共闘として)
(新左翼は1956年から決別し、左派大衆闘争としては60年安保闘争でとっくに決別
していますが・・・・)
◆戸田HPはhttp://www.ne.jp/asahi/hige-toda/kadoma/
<編集部コメント>戸田さん、いつもご投稿ありがとうございます。今回、コメントさせていただいたのは、今回の投稿の中に明らかに早合点による推測が含まれているからです。トピックスの記事で書いたように、たしかに「共産党の革命的再生」の可能性はすでになく、それを戦略的目標とすることはできません。しかし同時に、「長期にわたる闘争を地道に草の根から組織しなければならない」と書いたように、共産党の革命的再生が不可能だからといってごく近い将来に公然たる分派闘争や脱党や新党結成という結論がでてくるわけではありません。それはあまりにも力関係を無視した冒険主義的路線になるでしょう。それは一握りの分子の自己満足に終わるでしょう。
長期にわたる闘争とは文字通りのものであり、党の出版物や会議の場を利用しつつ、地道にこつこつと党内で宣伝・扇動を行なうことが必要です。それは1年や2年の単位ではかられるものではなく、日本社会の長期にわたる反動期を見据えたものです。日本社会の右傾化の流れが転換するのはまだまだ先のことでしょう。
また言葉の本来の意味での「分派(共通の政綱と内部規律をともなった組織的集団)」をつくることは、党官僚に弾圧の口実を与えるだけでしょう。スターリニスト的規約のもとでは、分派ではなく、左派党員の緩やかなネットワークと共同の議論の場を作り出すことの方が重要です。全体として改良主義的な党の中で、その左派的部分を強め、拡大していく長期的な戦略が必要です。
また共産党そのものの民主主義化は引き続き重要な戦略的課題です。それなしには、左派党員の強化と拡大という展望もまったく幻想に終わるからです。しかし、党の民主化と党の革命的再生とは必ずしも同一ではありません。全体として改良主義的な党であっても、比較的まともな党内民主主義が存在する場合もあれば(旧社会党)、現在の共産党のようにスターリニスト的でありつづける場合もあります。したがって、われわれは、引き続き党機構の民主化を目指しつつ、共産党のかつての革新的・革命的伝統を保持して、左派的見解を党内に最大限広げる努力をするものです。