共産党23回大会が終わるのとほぼ同時期にイラクに陸上自衛隊先遣隊が派遣
されました。しかし、この歴史的な出来事への各政党の反応は意外なほど低い
のです。派遣反対をとなえる、民主党、共産党、社民党ともに国会での派遣の
是非の審議にあたり、国会外の運動を組織する気配が私の知る限りありませ
ん。(こいつは困ったこと)
さて、このサイトでも、自民公明連立政権より民主党政権の方がましとの趣
旨で、総選挙やきたる参議院選挙で、共産党を含めた護憲勢力は立候補を控え
るべきの旨のご意見もあります。
私は、自由党を丸飲みにした民主党は、個々の議員の言行(たとえば西村慎
吾議員)は、自民党よりも軍事優先傾向があります。そして、昨年末以来改憲
のため自民党と協力する可能性の示唆、国から地方への補助金18兆円廃止論、
など、新自由主義的「改革」の先鋭部隊という側面を強めていると感じます。
ですから、民主党政権は、日本人労働者にとってよりまし、とは思えません。
さらに事情を複雑にしているのが、参議院選挙を前にして、宗教ファシスト
創価学会=公明党が「保守2大政党論」への牽制を強めていることです。参議
院選挙の比例代表は非拘束名簿式なため他の政党から「比例は公明党」と言っ
てもらいにくい。それゆえ、公明党は連立を組んでいる自民党に対しても、単
純なギブアンドテイクができません。また、来年度予算案がそのまま通ると、
「反戦平和と福祉を訴え、与党の中で自民党の暴走を止める公明党」という看
板がはがれてしまいます。
以上のことから、国政選挙で公明党と自民党の地方区での調整がうまくゆか
なかったり、公明党がなくても参議院は自民党だけでうまくゆくという構成が
できると、場合によっては「自民ー民主」の新自由主義的改革大連合ができる
可能性もあります。米国流二大政党は日本では当分、無理と思います。という
のは、民主党の中の新自由主義的改革中心グループは元自民党であり、人脈的
つながりが強すぎるからです。これは93年の政権交代は自民党の分裂により生
じ、その後自民党が社民党、さきがけとともに政権に復帰すると、対抗的「保
守」政党として新進党ができましたが、数年で解党した、事実にもあらわれて
います。現在の民主党でも典型は小沢一郎氏、鳩山兄弟、自民→新進党→民主
党→保守新党とわたりあるき現在落選中の熊谷氏です。
以上から考えて、私は民主党単独政権はよりましとは思えず、むしろ巨大「保
守」政党ができるのではという危険性を感じます。みなさんいかがでしょうか
?