今般、我が家は家を買うことに決定したらしい。価は3300万らしい。このデフレスパイラルの只中なのに、なんてこった。(oh! My God!) 連れ合い、いわく「わたしゃ、ずっと働いてきたんよ!これ位は私の為にご褒美よ」とのこと。
しかも全額現金との事、やれやれ老後の事をどの様に考えているのか?分からない。
「大丈夫、年金があるから。共済でしょ、国民年金、養老保険でしょ。なんとかプランナーさんも太鼓判を押すって言ったでしょ。あんたも聞いたよね」
そりゃあ聞いたけど、彼らは住宅メーカーから派遣された人だぜ不安を与える事を言うわけがないと、喉もとまで出かかっている言葉をグッと飲み込む。
我が家の筆頭稼ぎ手になかなか逆らえない。年収800万と当方、百数十万の差であろう。でも五年位前は600万位はあったけど公共事業削減の影響で収入は激減した。今は連れ合いの帰りを、夕食を作って待つだけの無為徒食の輩に過ぎない哀れな私。
これ程まで日本経済の将来を過信して、いいのだろうか?「年収400万、支出800万、借金6000万」と揶揄される日本の経済状況で果たして年金等支払えるだろうか?
まず無理であろう。個人であればとっくに破綻しておかしく無い状態である。裁判所に駆け込み「破産宣告」を受けるか、「詐欺」を行うか、「窃盗」をするか、「強盗」になるかしか、経済を立て直す事は出来ないであろう。
国家では「破産」はデフォルト(債務不履行)である。
貨幣価値の暴落、輸入品価格の高騰、大インフレーションの到来である。
「詐欺」2004年夏の新紙幣発行は旧紙幣との交換レートを変更すれば容易く債務のある程度、もしくは大部分を回収できるのではないだろうか?1946年2月「預貯金封鎖」を行い膨大な戦時国債を償還した事実を思い出すのが良かろう。現在行われている口座管理システム(オレオレ詐欺の口座封鎖は格好の練習ではないだろうか? 又住民基本ネットワークはこの時とばかりに活躍するであろう。)
「窃盗」今、最も簡単に出来る行為である。年金削減、公共料金値上げ、保険料・医療費値上げ、配偶者特別控除の見直し、所得税課税下限の見直し、枚挙に事欠かないありさまだ。
「強盗」最も力を入れているところだ。相手を殴り倒しても、時には殺しても金品を強奪・略奪する。相手が抵抗しようが圧倒的な武力で制圧しなければならない!
「イラク派兵承認案」、「有事法制関連法案」、「国民保護法案」はまさしく「強盗演習」法案そのものである。「お上」に反対する奴は「非国民」であり、「国賊」であるとの意識を徹底的に叩き込まなければならない。その為に最も有効なものの一つが「アキヒト一族」即ち「天皇制」である事は明白である。
「日の丸、君が代」の強制は現在はもとより将来も非常に有効な思想的武器であろう。
経済不況と国家経済破綻の雲は低く垂れ込め、夢や希望は黄昏を迎え、政治不信のもやが、濃く立ち込める中ゴシップや得る事の無いおしゃべりのざわめきが渦巻ている。はじめは微かにしか聞こえなかった軍靴の音がみるみる近づいてきた。やがて他を圧倒する音になるであろう。火薬の匂いや死臭もするようだ。私は「日本」と言う名前の椅子に浅く腰掛けている。回りをしきりに見廻し耳をそばだてている。
全てを置いて身一つで脱兎のごとく逃げ出す日はそう遠く無いであろう事を確信する。