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2004/2/8 寄らば大樹の陰、50代、苦闘するフリーター

 今回の綱領改訂は日本共産党が「革命政党」でなくなった事はもとより、革命とか労働者階級とかに表現されるマルクス主義政党から脱落し、それこそ自民党や民主党と基本的には何ら変わりのない「国民政党」へ目出度く変身したものである。
 それは中国共産党以上の、「市場原理主義」への信仰心あふれる「名前だけの共産党」となったことでもある。
 党員の大半の方は失望し、そして内心大いに安心しているだろう、これまでの様に特殊「共産党員」として要求されるものがなくなり、共産党員的矜持を保ち肩肘張って頑張る必要もなくなったからだ。
 しかし、この変化を一番喜んでいたのは、やはり経団連・奥田を始めとする日本ブルジョワ支配階級、資本家である。
 抵抗勢力としての、日本共産党にもう全く遠慮する事はなくなったし、無視しても何の支障もないからである。
 綱領改訂に言う「資本主義社会内における民主主義革命を目指す」とは具体的に何を言うのか、おそらく不破さんも志位さんも本当はそれが何なのか理解していないし、何をどう説明していいのか解っていないのではないかと思う。
 この国の現代資本主義社会が基本的に破産に直面し、「戦争」にしか逃げ道を見出せずない中、突然共産党という余計物が彼らの懐に何かを求めて飛び込んできたのだ、資本主義としての余力を失った彼らに、どんなに擦り寄り、どんなに変身しょうとこれっぽちの見返りなどある筈がないことは分かり切っているのに、なぜか「横恋慕」して来たという訳である。
 マルクスが共産党宣言第一章の最後に明記している様に、労働者を食わす事の出来なくなった帝国主義は労働者によって打倒されるしかない。
 今やリストラ首切り、賃下げ、人員削減によってしか利益(景気回復と言う数字合わせの演出)を生み出す事が出来ず、まして労働者に保険や年金、そして生活保護など最低限の保障すらまともに応じることが出来なくなったブルジョワジーには没落し、打倒される運命しか残されていない。
 世界最大の経済大国、超軍事大国であるアメリカは経済的には完全に破産している、ただイラク戦争の様な闇雲な軍事行使によって辛うじて延命している異様な、本質的には疲弊した脆弱な帝国主義でしかない。
 この日本も個々の資本は帝国主義資本としては対欧米資本と対抗性を持って懸命に生き延びようとしているが、「勝ち組」は各産別に見てもほんの一握りに過ぎず、既に資本総体としての健全性などとっくに失っている。
 1929年の大恐慌の時点では、アメリカを始め各国労働者には何の社会的保障も存在しなかった、しかし現在の労働者は「生産手段としての失うものは何も持たない」が、不完全で不公平といえ、この間の労働条件改善の闘いの成果として、年金を始めとする社会的保障をそれなりに獲得してきた。
 しかしこの労働者の獲得物が資本に奪い取られ、無保証地獄に突き落とされ、不安ばかりがつのる文字通り喰えなくなってきた労働者の喪失感は、大恐慌当時より格段に拡大し、かつて経験した事のない不満と不安を内部に鬱積し、それらが、若者から中高年層まで拡大浸透しているのである。
 自殺者やうつ病患者の増大、そして「異常者の行為」として特定され社会から排除とされる人々の事件・事故の多発はそのごく一部の現れに過ぎない。
 これらは何時の日か「労働者の蜂起」として大爆発するだろう。
 いくら共産党が労働者を誤魔化しなだめ、資本への恭順を求めようとこの不安と鬱積したものは何ら解決しない、日本帝国主義と日本共産党は奈落の底に同時進行的に加速の度を深めているのではなかろうか。