3.20国際共同行動についてひややかに笑っておられるように読めましたがそのよう
なあなたを理解します。
私はその日夜行のバスで駆けつけて冷雨の中を行進した一人です。まだ6万人規模
の集会は60年安保にはるか及ばないが、新しい時代へと向かう高揚期に入ったことを
全身で感じ取りました。その感じを言葉で表現するのは困難ですから、あなたも今後
このような集会があれば実感していただくことを望みます。傍観者であったり批評家
であっては決してわからないのですが、あなたはその日何をしていらっしゃったので
しょうか。参加されなかったことを非難しているわけではないのですよ。今度は一緒
に運動の中に入ってほしいのです。
ブントの一員だったとか。私は年代が上で当時共産党員でしたから新左翼のことが
よくわからないのです。なぜならば党では「左翼暴力集団」との接触を禁じていたか
ら心情的にでもなびくことすらできませんでした。その党も17年在籍して1978年に辞
めていますから自由に物をいえるし、見れる立場にはなっています。そのような立場
からかつての新左翼の人々とも親しくし、日本共産党員にも沢山の友人がいます。
あなたがブント時代に戦った三里塚闘争では日本共産党は金銭闘争にすりかえたた
めに三里塚同盟から除名されました。三里塚農民と全学連を中心とした勢力によって
徹底的に戦われ、しかもあれから30年、今も戦われているという世界に実例のないも
のとなっています。自己満足などでなく現実の基地反対闘争の砦として三十有余年戦
い抜いてきていることに対して敬意を払います。あなたもかってその中にいたことを
誇りに思っていただきたいと思います。
60年安保では国会周辺に連日40万の民衆が集まったのでしたがこれが無駄だったと
の考えには同意できません。以来、日本支配階級は60年安保の再現を最も恐怖してき
たのです。この安保闘争において樺美智子が機動隊に殺されたことに対する党の声明
は、学生と労働者人民を分裂させた決定的なものです。そのため70年安保では日本共
産党の出る幕がなくなったのです。その時の党の裏切りこそが今日の党の右翼日和見
主義から排外主義への転落の決定的瞬間であったと思います。しかしそれでもなお今
日まで憲法を改悪させなかったのは巨大な60年安保闘争があったからです。あの戦い
がなければもうとっくに自衛隊は侵略者として他国の人民を殺していたでしょう。
ストックホルムアピールにもとずいて世界的に広がった原水爆禁止運動がその後の
戦争において核兵器を使用させていない力を持ってきたことを否定できません。核兵
器反対の運動がなければベトナム戦争で使用されていたでしょう。だが今後使用され
ないとは絶対にいえません。
イラク戦争の開始のときに世界で2000万人の人々が反戦に立ち上がった。それでも
イラクが攻撃されたではないか。私はそれしか見ないとすれば間違っていると思いま
す。もしこのような反戦がなければイラク人民はベトナム戦争で200万人のベトナム
人が殺されたようにもっとおおくのイラクの人々が公然と殺されたでしょう。すでに
12000人ものイラク人が殺されたのだがもし世界の反戦運動がなければ公然と帝国主
義の軍隊はイラク人をはるかに多くと刷したでしょう。イラクに派兵したどの国も国
内反戦闘争におびえています。日本政府も自衛隊を派兵すたが国内での反戦運動の高
まりを非常に恐れているのは明らかです。そして着実に反戦の勢力がこの国で伸びて
います。北野さん、しっかりと事実を見てほしいのです。そしてニヒリズムに陥らね
ばならない理由がないことを知ってほしいのです。
世界の人民は帝国主義にまだ勝利しているのではないがすべてにおいて敗北したの
ではありません。これからも困難な戦いが続き、歴史の必然として世界戦争へと入っ
ていくであろうが、必ず世界の労働者と人民が帝国主義を地球上から消滅させるで
しょう。この楽天性がなければ戦えません。
日本共産党の質についてはあきらめましょう。今大会において完全に日本共産党は
排外主義の党となり革命と反戦を放棄したのですからこの党が生まれ変わる期待など
まったくできないのです。党はもう再生できないが、その党の中に誠実な方がまだ多
くいます。この方々に真実を知ってもらおう。
しかし6000万労働者階級の利益を代表する党、真の共産党は必ず創造されるので
す。その胎動を3.20国際共同行動の集会で私は感じ取っています。まだまだ大衆行動
を大きく発展させて行かねばなりませんが、その中から核になるものが形成されるで
しょう。日比谷ではもはや日本共産党などどうでもいいことになっていましたし、共
産党員もここに参加していました。そして日本共産党の主催する集会、芝公園から、
日比谷に共産党員と支持者がたくさん流れ込んできたということは、今になだれ現象
を引き起こす前兆です。このようなことはかつてなかったのです。このような集会の
積み重ねがやがて大きな戦い、60年安保の闘いに接近していくのではないでしょう
か。この困難な中で共に戦う人こそ価値ある仲間です。かって戦った人々が戦列に
戻ってこられることを期待します。
北野様,私たちと共に新しい道を探求しましょう。