2004/3/15 山田盛太郎、50代、研究者
人文学徒さん、大鷹さん
日本に限らず世界の社会主義の最大の問題は、ソ連、中国、東欧諸国など社会体制
に実現した国は、すべて自由と民主主義を抑圧し、経済的にも失敗したということ、
スターリニズムをいかに克服するかです。人文学徒さんは、主体的唯物論にもとめて
いますが、より幅広い理論に触れることが大事です。ひとつは、レーニンとスターリ
ンの分離であり、トロツキーの再評価です。
60年代~70年代に学生運動にかかわった人なら、「トロツキスト」ということばは
よく知っており、その再評価は驚きでしょう。今日では、レーニンはトロツキーを信
頼していたことがよく知られており、かなり研究が進んでいます。書名はあげません
が、webで調べてみて下さい。
しかし、レーニンも問題を含んでいました。さらに、エンゲルスも。そしてマルク
スも「ドイツ・イデオロギー」以前と以後では区別し、思想の歩みを検討する研究が
かなり前から進んでいます。エンゲルスの場合何が問題かというと、彼の自由論であ
り、「自由は必然性の洞察である」という「反デユーリング論」でおなじみの規定で
す。この自由論が、ヘーゲル国家論を土台に、「経済学批判」で定式化された社会構
成体概念、土台-上部構造論と結びつき、原始共産制-封建制-資本制、そして社会
主義という歴史法則論と結びつくと、この法則にしたがって生きることが自由で正し
い生き方であるとされ、それ以外の自由抑圧を正当化します。
これらの研究は、藤井一行、中野徹三らの研究として明らかにされており、ぜひ読
まれることをお勧めします。一番お勧めしたいのは、このサイトを運営されている方々
ですが。
最大の問題は、これらの理論的試みが、党公認の理論を批判するために、共産党か
ら批判・攻撃され、党員研究者は除名処分になってしまったことです。研究者の世界
は、相対的に自由ですからこうした事情は、比較的よく知られています。こうした動
向が知られていないのは残念です。
丸さんへ
私は別に資本主義を礼賛しているわけではありません。2つ体制を比べて、一方が
絶対にすばらしく、一方が決定的にだめだというような議論の仕方自体、問題です。
大歩危さん、人文学徒さんへ
あなたがたが危惧しているように、Nさんや関連する投稿は不審な内容を持ってい
ます。私は最初、共産党を貶めるための投稿かと思いました。次には、こういう人も
いるのかもしれないと思い、最近いくつかよんでやっぱりおかしい。Nさんは党員で
あるかのようい書き、文章量は膨大ですが、内容はシンプル、世界は戦争に向かって
おり、これを認知できないのは無能で理論などはどうでもよい、に終始しています。
疑問なのは、内容が党員らしくないことです。北朝鮮擁護など大韓航空機撃墜事件
のときにいちはやく北朝鮮との関係を指摘しており、擁護するような気分が党内のど
のレベルであれ、あるとは思えません。
何よりも、書かれていることは、一見左翼的でありそうですが、赤旗を読めばかけ
そうなことで、党生活で学習していれば自然身につく理論臭がまったくないことです。
参考までにいえば、この通信の主催者の文章などその最たるものです。10年前に離党
した人間の書くことではありませんが。
そして、組織活動についての話がまったくありません。学習や組織活動がなく、ひ
とりで赤旗を読んで悲憤慷慨し、デモや集会への参加をやたらとすすめる人物です。
党の行動についてのけち付けはありますが、理論的な言及はありません。
よくわかりませんが、もし本当に党関係者や熱心な活動家とすれば、末期症状と思
います。こういうタイプの人間が市民社会から受け入れられるはずがなく、共産党=
不満分子の集団でしかないのですから。私の記憶では、党員は、市民の模範となるべ
く高い道徳性を求められていたはずでした。