2004/3/15 勘太郎、50代、教師
スペイン総選挙の結果は私の懸念に反して、「イラク撤兵」を公約とする社会労働
党の「逆転勝利」に終わったようです。
直前の無差別テロにより、「自分たちに被害がおよぶのではたまらない」というこ
とだけでアスナール政権への批判票が増大したとすれば、それは手放しで誉められる
ことではありません。
しかし9・11後のアメリカ合衆国における狂気の右傾化や、自衛隊派兵における
日本の世論が、権力・御用マスコミ・御用知識人等々のしょうもない宣伝に対して見
せた脆弱さを考えるとき(私の懸念も理由がなかったとまでは言えない)、それに比
べてスペインの世論が少なくとも右傾化しなかったことには、やはり同国内の反戦運
動の効果があったと考えます。その点は評価したいと思います。
けれどもスペイン反戦運動の真価は社会労働党(これも相当程度腰砕けの「左翼政
党」のようですが)に「イラク撤兵」の公約を護らせられるかどうかでしょう。「が
んばれ頼んだぜ」と声援したい気分です。
(なお今回のスペインの結果から、「日本でも無差別テロが起これば」などというさ
もしい論調が、反戦運動の中に生じることを警戒しなければならないと思います。ご
都合主義で理想や倫理的原則を崩した報いは必ずやってきます。)
さてスペインの反戦運動には遠く遅れているわが日本ですが、ようやく3・20に
おいて戦列が形成されつつあるような気もします。
長壁さんの呼びかけに答えて私も天邪鬼さんを探すつもりですが、数万もの人出に
なるでしょうから、自信はまったくありません。「日比谷で会いましょう」は象徴的
な合い言葉ですから、具体的に会わなくとも心は一つになっていると考えたいと思い
ます。
これから歴史は激動します。市場原理主義や偏狭なナショナリズムや宗教原理主義
によって分断され、わけがわからなくされていた世界人民も、平和と正義と共生の
「もう一つの世界」を求めはじめています。
日本人民も平和と正義と共生の「もう一つの世界」を求めなければなりません。3・
20がその契機となることを希望してやみません。