夕刊が踊っている、スペイン総選挙・野党逆転大勝利とー。
まさしくスペインの、ラテンの血は踊り狂ったのだ。
誰もがブッシュやブレアの朋友、アスナールの勝利を疑わなかった、そこにまだだれ
とも判らない同時多発列車爆破という膨大な犠牲者を伴った悲劇が起きた。
アスナールは即座に、彼にとって目の上のタンコブである、ETA(バスク祖国と自
由)の犯行と断定した。
スペインの人々はは1100万もの大デモンストレーションで犯行を非難し、被害者
を追悼し町々を席巻した。
しかしこの大デモは明らかに別の側面を持っていたのだ。
あのフランコ独裁と戦った人々は、アスナールの余りにも安易で人心を無視したアメ
リカへの追従、イラク戦争への参加を心から許してはいなかった、それへの抗議の大
デモンストレーションでもあったのだ。
そしてその意志は、数日後の投票箱に向けられ、実行された、誰もが、勝利宣言した
社会労働党の若き書記長サパテロですら、予期しなかっただろうスペイン人民の「秘
められてきた真実の声」として反映されたのだ。
このスペインに於ける「奇跡」は、これだけでは止まらないだろう。
まずブッシュの盟友イギリス・ブレアの意地汚いあがきに最後の止を刺すものとなる、
そしてブロデイ復帰のイタリアにも必ず飛び火する。
このふたつの国の人々はスペインと同じく、3月20日再び数百万人ものイラク反戦、
占領反対デモに決起する。
それは必ず現在の支配者に対する大いなる反抗として止まることはないだろう。
必ず第2のスペイン、第3のスペインとして結実する、そしてそれは全欧米に拡大し
ていくことだろう。
私のこの思いは「夢想」で終わる事もあるかも知れない、いやその可能性は高い、し
かし言明したい、このスペインの奇跡に一番驚きビックリしたのは小泉純一郎その人
である。
しかし、彼は同時にこの国の状況を振り返り、安堵の息をついたに違いない。
この日本には私たち民衆の意思を体現できる政党が何処にも存在しないからだ、民主
党・何にも変わらない、共産党・大変身してしまった、社民党・何処にいるのだ。
そう、今こそ真の労働者の党が求められているのだ、その不在と未成熟を悲しく、そ
して謙虚に受け止めなければならない、だが諦めず地道にそれを追求していこう。
「さざ波新党?」まだダメだ、それこそ夢想に終わる、とてもそんなレベルじゃあな
い、冷笑を誘うだけである。
しかしだ、確かに嫌う人もいる、だがあのロシア革命の時、我がボルシュビキはそれ
こそたった1パーセント内外の支持しか持たなかった、だがそれが数ヵ月の後、爆発
的支持の元に革命に勝利したのである。
確かに今の情勢は戦前回帰の色が濃いい、しかし大激変の可能性を、この世の中をそっ
くり変えてしまうかも知れない胎動を、私たちは自分自身の中にはっきり秘めている
事を自覚しょう、そしてその鍵はまさしく3月20日、日比谷公園への大同団結、大
結集そのものである。
それがなければ全てはゼロだ、今こそ1100万人のりデモを実現した、スペインの
逞しく強い人々に学ぼう、そして団結して行こう、それが勝利への道の始まりである。