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党派的判断よりも正義をまず考える

2004/3/8 勘太郎、50代、教師

 3月6日付けの天邪鬼さんの投稿(天邪鬼さんの情熱には深い敬意を持っています)に、国労幹部から売られて警察に一年ほど拘留されていた国労組合員の話が出ていたので、この機会に同問題に関連した私見を述べさせてもらいます。
 1987年の国鉄分割民営化(中曽根康弘が後に認めているように総評解体を主目的としていた)にともなって不当解雇された労働者が現在も闘い続けていることはご存じと思います。
 ところが2000年に「JRに法的責任がないこと」を争議団が認めることによって決着をうとうとするいわゆる「4党合意」が出され、あろうことか国労はそれを受け入れてしまいました。さらに国労は2002年5月27日の臨時大会で、4党合意に反対した国労組合員を処分しようとまでしました。さらに国労幹部は同日その処分に反対するビラまき情宣活動を行った国労組合員7名と支援者1名を警察に告発し、警察はその8名を逮捕・拘留しました。
 被告たちはビラまきと国労幹部に多少身体に接触した程度の行為をしただけで、暴行と言えるほどのことはしていません。法廷で証拠とされたビデオではむしろ国労幹部が暴行と言えるようなことをやっています。逮捕の罪名は「暴力行為等処罰法」とかいう戦前に労働争議をつぶすために使われた弾圧法(なぜか戦後も生き残った)です。そんなことで拘留されることなんと1年2ヶ月(昨年末かなりの反対運動の結果保釈)。
 これはハプニングではありえません。腐敗した国労幹部や公安警察や東京地裁の裁判官といった小物の背後に、国鉄闘争の幕引き(国際的に見てもILOの眼などがうるさい)を計る独占資本のワーキンググループがいて、彼らが画策した政治弾圧だと思われます。
 ところで逮捕拘留された8人は中核派もしくは同派に近い人たちです。私は中核派と意見を異にすることがいくつもあります(例えば内ゲバ問題)。  しかし私はこの被告たちの支援者から、国民的組織「5・27国労臨時大会弾圧を許さない会」を立ち上げるのでその呼びかけ人の一人になってほしいと依頼されたとき、二つ返事でその依頼を了承しました。また保釈まで多少の協力をさせてもらいました。
 このようなむちゃくちゃな政治弾圧は、当該者あるいは当該者の属する党派にかけられただけでなく、日本の労働運動、あるいは日本の民主主義全体にかけられたものであり、つまりは私個人にかけられたに等しいと考えたからです。そんなとき党派性を問題にするのはナンセンスだとも思ったからです。後から見ると「5・27国労臨時大会弾圧を許さない会」に参加された多くの方は私と同様の考えでおられたようです。
 私は日本の民主主義が再生するためには、労働組合だけでなく市民団体や農漁民や宗教家やその他の広範な人民の連帯が必要だと思っています。そしてその連帯とは、お互いの独自性と尊厳を認め合いつつも、同時に反戦・平等・共生といった国際民主主義に通じる正義を共有することによってなされるべきとも考えます。
 党派的判断よりも正義をまず考える。それはすでに現れこれからも数多く行われるはずの、イラク反戦運動に対する弾圧に対して、われわれ一人一人に要求される態度ではないでしょうか。以上、天邪鬼さんのコメントに便乗して私見を述べさせていただきました。