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凡人たちの世界革命

2004/3/20 勘太郎、50代、教師

 社会的に生産された富が、生産した多数者に還元されず、特権を持った少数者への集中を繰り返す。そのようなシステムは社会的に不整合であり、克服されねばならない。
 マルクスの資本主義批判とは要約すれば上のようなことであり、そしてその批判は彼の見通し(史的唯物論や生産力論)や処方箋(プロレタリア独裁)が間違っていても(私は間違いだと思います)正しいと、私は思っています。
 しかし現在われわれは、マルクスの視野をはるかに越えた現実を眼前にしています。
 例えば資本主義は大量のゴミ(核廃棄物から日常のゴミまで)を排出し、日本の一市民が一日に出すゴミの量を考えただけでこのシステムが2世代3世代と続けられるものでないことは明らかです。
 また地球温暖化問題、オゾン層問題など資本主義は人類の生存条件を確実に切り崩しつつあります。
 さらに大利潤を求めるために国際独占資本は戦争を求めます(現在のイラク侵略戦争など)。
 そして抑圧は無差別テロを生みだし、やがて核テロが現実化するでしょう。
 つまり現在の資本主義世界システムを続ければ人類は滅びる。そのことは先入主を捨て冷静に考えれば誰しもが認めなければならない現実ではないでしょうか。
 そして世界中の多くの人々がそのことに気づき行動しようとしているのではないでしょうか(例えば世界社会フォーラム、例えば国際反戦運動)。
 だからマルクスを全面的に捨てるのがナンセンスであると同様に、旧態依然たるマルクス主義が現代でも有効だと思うのはそれに輪をかけたナンセンスだと私は思います。
 現在われわれに必要とされるのは、世界の特権を持たないすべての人々を説得できる「凡人たちの世界革命」の思想ではないでしょうか。
 (3月20日の朝、日比谷に出かける前のひとときに、持参したノートパソコンでこの拙文を打ちました。)