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油断なんてとんでもない!理性主義者さま

2004/3/21 寄らば大樹の陰、50代、苦闘するフリーター

理性主義者さま、ご回答をとのことなのでもう一度書いてみました、しかしこの件についてはこれが最後です。
まずご忠告申し上げます、貴方の「理性」には私たち凡人のにはとても捉え切れない、かのヘーゲルすらビックリするような強い「観念」があるようです。
だから申し訳ないのですが、辞書そのものを変えた方がいいかもしれません、是非何処かの出版社に出向かれて、貴方の理解されている「理性」とやらを一行追加してもらって下さい。
さて現在頻発する医療過誤や薬害など原因は、その殆どが医師や研究者などのおごりや過信、傲慢であり理性主義者さんがおっしゃるような油断などでは決してありません、油断なら事は非常に簡単なのです。
まず薬害エイズ事件を例にとって見ます。
事件発生の後、血液製剤の判断過誤・ミスを問われた老研究者は、自己の学界的権威に依拠しふんぞり返って「俺が間違いなどするものか」と居直り、マスコミのカメラにも殴り掛かった事がありました。
しかもその後裁判では全くまともな対応を取ることなく、「知らぬ存ぜぬ」を決め込み、とうとう何の責任を明らかにすることなく引退してしまいました。 薬害エイズと闘ってきた川田龍平さん親子の無念には、図り知れないものがあります。
そしてこのごろまた抗がん剤として復活した「サリドマイド剤」イソミンも、開発した研究者、メーカーの利益追求と監督官庁が情報開示を怠った為に発生した、取り返しのつかない薬害事故でした。
サリドマイド被害は現代医学の最先端技術、粋を投入してもとても回復出来ものではありませんが、今それが「一部のがん患者に有効だ」からと被害者への説明はもとより、何の反省も確認もないままに管理放棄され、使われっぱなしの状況にあるのです。
これらは明らかに油断でも、手違い等でもありません。
まさしく医療関係者や開発関係者の傲慢やおごり、そして儲かれば何でもいいと言う現代資本主義が抱える本質、回復不能なシステムの結果なのです。
以前テレビで「製薬開発競争の裏側」が特別番組として放送されました、「この薬の開発にはいくら掛かった」からそれを取り戻し、更に利益を上げる為には、実験台になってくれた患者はもとより、競合した研究者やメーカーを騙し、蹴落としても生き延び売りまくる、という凄まじい資本主義的あり様であり、闘病中の身の上、もう恐ろしくぞっとするしかありませんでした。
確かに官公庁にも企業の研究所にも、また病院にもマニュアルがあり手順は定められています、しかしそれは殆どが理性主義者さんが仰る「油断」をなくす為のものでしかありません。
しかしいくら立派な抜けのないマニュアルが備えてあっても医療過誤が起きているし、とんでもない薬も開発されています。
これらはもっと根本的なものが原因となっているのです、ただ油断が全てであるとしたら、これまでの様な問題は発生しないのです。
研究開発に「人間」が遅れを取っているのは原爆の父「オッペンハイマー」だけではありません、起こった後にいくら反省し、頭を垂れてもても取り返しはつかないものです。
医療過誤でなくても私たちはついこの前、「もんじゅ」のナトリュウム事故に続き「JCO」のウラン「バケツ処理」による2人の尊い被曝犠牲者を出したではありませんか!
現代科学信仰はもうよしにしましょう。