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草の根労働運動を

2004/3/25 天邪鬼、60代以上、画家

 戦いを忘れたか労働組合。  N建設は一昨年暮までは500人の会社だった。そこにはユニオンショップの労働組 合がある。N建設の主たる仕事は道路など国や都道府県からの受注によるものであっ た。いわゆるゼネコンである。 しかし近年受注量が減り一昨年の11月からリストラ が始まった。第1次は100人の人員削減で退職干渉を受けて98人が何の抵抗もせずに会 社から消えていった。第2次、第3次希望退職募集でさらに減り今年の初めには200人 くらいの規模になッたが2月の債権者会議でメインバンクが手を引いたとたん倒産に なり会社再生法の適用で生き延びねばならない状況になった。
 しかし会社再生法を適用されるためには再建計画を裁判所に提出しその計画が認め られると3月中に実行に移さねばならない。そこではさらに企業の規模を縮小しあと 100人の人員削減をしなければならない。このことは以前に書いた。
 さて最初から退職勧奨をはねつけた二人以外の労働者は希望退職を募ったところ難 破船からねずみが逃げ出すように70人がやめた。
 それでもあと30人が不足するので 会社はリストアップした人間に退職勧奨を行ったところ最初に拒否した2人の女性事 務員を除いて28人が応じた。二人のうち1人は地方の営業所に働いていたがその営業 所をなくするから解雇すると言うことがほぼ決められ3月中に予告手当てを送るそう である。しかし二人は会社の労働組合が御用組合であることがわかっていたので個人 加盟の組合に入っていたので数日前その組合と会社の団体交渉がもたれた。会社側も この組合にてこずっている。解雇となれば撤回闘争をすることになる。
だが会社の労働組合ははなから会社の言うままで組合幹部まで退職勧奨に応じて辞め ていく始末であった。
 いったい500人中398人が街頭にに放り出されたのだが大の男が女房子供を抱えてい るのにまったく無抵抗に辞めてしまうとは何と情けない労働者なのか。職場を放り出 されるということは「死ね」ということと同じなのである。しかも忙しかったときは 死ぬほど働かされ不況になれば放り出されることに対して、人間としての誇りを踏み にじられる怒りすらないのかと私は思う。たった二人の婦人労働者だけが、頑として はねつけているのは生活がかかっているのと自尊心からである。
 総評がなくなり翼賛労働組合、連合と全労連になってから春闘もなくなり、リスト ラ首切りがどんなに激しくなろうともまったく資本家に抵抗することなく労働者階級 が戦う意欲を失っている。
 連合ならまだしも全労連も戦わないのは共産党形としてどういうことなのだろう。 このリストラのあらしの中で多くの共産党員も職場を放り出されているだろう。自分 のためにも戦えない共産党の労働者だったのか。それでは君たちに政治を動かす力な どまったくないのだ。
 これが今日の政治の反動化をやすやすとさせている理由である。労働者を団結させ 戦う労働組合を全国いたるところに作り上げていかなければこの世界戦争への時代を とどめることができない。
は労働運動が特殊な知識を必要とする職業的組合幹部にしかできないというものでは ない。
 実に単純な思想さえあれば戦えるのである。
 それは何か。
「労働者も人間である。」
 たったそれだけだ。
 さざ波の皆さん、あなた方の多くは労働者でしょう。労働者階級の組織無くしてど んな立派な御託を並べても戦争をとめられないのだ。
 そして団結した労働者こそは万能である。
 リストラや首切りがあなたやあなたの周囲にあれば戦おう。そして戦う方法がわか らないときはこのさざ波通信で相談しよう。ここには歴戦の闘志も必ずいるし、法律 家もいます。ここは知恵袋なんです。草の根労働運動をしなければならない。
 一冊の本を紹介しよう。
「リストラに負けない100の知恵」杉村和美 著
 東洋経済新報社       2000年

 これを読めば勝てる。自分の問題となればこの本はそんなに難しくない。