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党からはじめよう!

2004/3/27 北野勇、40代、労働者

 3.20国際共同行動の後日談を読ませていただき、まことに微笑ましく、みな、心の優しい、いい人たちだなぁと思いました。しかし、同時にそれでいいのか?という疑問も持ちました。
 かつて、私はブントの一員として三里塚闘争を闘いましたが、同志たちと機動隊に突入するとき、「ああ、俺は権力と闘っている」という恍惚に浸りました。しかし、空港はそんな恍惚感とは関係なく完成し、飛行機は自由に離発着しています。それ以来、私は、このような運動・集会を見るたびに疑問を感じます。
 あのブッシュでさえ、反戦運動は美しいとか言いうのを聞くと益々、その違和感は膨らんでいきます。
 人間の行動の原動力は理屈ではなく、正義に対する渇望、不正義に対する憎悪であり、これが根本的な出発点であることに疑いはありません。そういう意識が人々を結びつけ、大きな運動として広がっていくことも否定はしません。
 しかし、歴史を振り返ってみれば、原水爆禁止のストックホルムアピールでは全世界数億の署名が集まったにも関わらず、核兵器は増え続けました。日本における毎年8月の平和運動は如何ほどの力となったのだろう。無論いろんな交流の中で様々な運動の広がりがあったとしても、その運動がちっとも深まらないのは否定できないと思う。
 本来なら、共産党が、その前衛としてこのような運動を指導しなければならないのだろうけど、代々木のお偉方たちは選挙や票で頭がいっぱいだ。イラク派兵問題では、自衛隊の存在自体が違憲なのに、憲法9条を守れという、誠に間抜けな方針しか示しえなくなっている。
 歴史上、平和勢力が勝利した実例を見るとき、そこには、いつも党があった。ロシア革命・中国革命・ベトナム革命がそうだ。一方で大衆が蜂起しているのに党が裏切ったがために敗北したのは、安保闘争だった。また、多数である事に漫然として権力強化を忘れたインドネシア共産党の崩壊、ドゴール革命に蹴散らされたフランス共産党の武装解除など。歴史上の闘いの勝敗を決したのは、常にその党の質であった。
 この党の質の最大の核心こそ権力問題であった。どのような運動・集会でもその勝利の基準は、何人動員されたか?という組織問題ではなく、参加した人々にイラク戦争の本質が、如何に思想的政治的に理解され、その為の評議会や委員会を作ることができたのかどうかに勝利の基準をおかねばならないと思います。
 いくら華やかさや自己陶酔で行進しても、現実は日米の権力が支配し、自らの欲望たる最大限の利潤追求にむけて世界を作り変えようとしています。我々は、もういい人である事に満足するよりも、そのような現実を如何に変えられるかを真剣に考える時期に来ていると思います。