一般投稿欄

いい人見つけた

2004/3/10　天邪鬼、６０代以上、画家

　貫太郎様の投稿を朝から以前のもあわせて読んでいました。
　日本共産党もこんなに立派な方に見限られるようになったことに、先が思いやられます。悪貨は良貨を駆逐する。
　3月２０日の飛行機の予約をもうとっておられて日比谷集会にこられるとは実に立派な方だと思います。私のほうは爪に火をともすような生活で、東京へは夜行バスで行きたいが「うっとこ」の大蔵大臣にいつ言おうかと機をうかがっている最中なんです。
　私が参加するとしたら「関西合同労組」の旗の下にいるでしょう。
　国労の組合幹部によって7人の投獄された労働者の話、わたしは省略したまま気になっていたのですが、簡略に書いてくださったことを喜んでいます。まったく恐ろしい時代で組合幹部が組合員を警察に売り渡し1年2ヶ月も投獄させるという時代になったのです。その組合員の思想が何であれ1047人の仲間を守るために国労解体に反対するビラを撒こうとして、もみあいになっただけで1年2ヶ月豚箱の中に入れられたのですから。あなたやその他多くの方々の釈放運動でやっと保釈になったというのです。この時代はただ事ではありません。国家は労働者階級が結束して立ち上がることを最も恐れ国労がその牽引車になることに恐怖しているのではないでしょうか。
　私は小さな個人加盟の労働者の集会からデモに参加したのですが、言葉に言えない確かなものをデモ行進の中で肌で感じました。
　さてついでに妻の会社Ｎ建設の話です。これまで日本中でリストラの嵐が吹きまくりながらどうして労働者達が無抵抗に街頭に消えていくのかを不思議に思っていたのですが、毎日、妻から会社の中の事を聞いてだんだん解ってできました。
　Ｎ建設は500人ほどの土木会社で全国に営業所を持っているのでした。バブル崩壊後数年はまだよかったのですが、阪神大震災を境にして受注は下降線をたどり3.4年前には急激に落ち込み大きな仕事は大林や清水など大手企業に落札され、直受けがなくなっていったのです。もちろん入札前に談合があるのは常識ですが中企業は弾き飛ばされます。それで銀行からの融資を受けて何とかしのいできて一昨年11月から銀行の指示でであろう、100人の希望退職を募り私の妻を除いて簡単に退職勧奨で辞めていきました。その後も第2次リストラ、第3次と続き去年の暮れには200人になってしまったのです。
　「会社のためにどうか涙を飲んでくれ」と人事部長は対象者を個々に呼び出して退職勧奨をするとみんな簡単に止めていくのでした。「こんな会社におれるか」捨て台詞を残したり、「会社のためには仕方ありません」からと消えていったのです。それで1年経って辞めたいった人がどうなっているかう噂さえ消えてなくなっています。きっとどこかに再就職したんだろうなどと漠然と残った労働者は考えているのです。しかし人のことどころではありません。次は自分かということが気がかりだったのです。
　だが今年の初めに主力銀行が債権者会議で手を引いたために事実上の倒産となり、会社再生法の申請をすることになって弁護士が会社を仕切ることになりました。3月末までに債権のための具体的な計画書を裁判所に提出し、それまでにあと100人の人員削減をしておかねば再生法が適用されないのです。裁判所が再建計画を認めなければ本当の倒産になるのです。3月15日までに従業員を100人にまで削減するのが再生法適用の要です。会社は希望退職を募り、それまでに目標に達しなければ指名解雇をします。そして締め切りまでに退職を申し出たものにだけ、わずかに水増しした退職金を渡すがそれ以降の退職者には支払う金がないので分割支払いになるということです。私の妻で250万、同じ年月を働いた男性社員のＭさんは500万位だそうです。
　そうなるとどの労働者の家庭でも毎晩夫婦が額を寄せて悩んでいることが想像されます。買っていく年も経たないマンションのローンのことや、子供の養育やそれから後の就職の問題でどの家でもノイローゼになるほど悩んでいるのでしょう。
　そうするとどうなっているか。社員達がなだれをうつように今退職カードに印鑑を押して会社に渡すようになっているのです。次の航海で遭難するのを本能で察知するのか船内のねずみが係留されたロープを伝わって岸壁に逃げていくように、あの人もこの人も辞めていくのです。かといって彼らが次の就職口を見つけたというのではなく今辞めねば退職金が貰えなくなる。あと何人までが退職金をもらえるかと今度はそれが気になり、争って辞めていくのです。もう60人以上は書類を出したようです。
　事務の女性達もほとんどいなくなるそうです。ある同僚女性は介護保険の世話をする資格をとってその仕事をするとか、経理の男性がタクシーの運転手になるとか、そんなうわさも出ています。そして経営陣の数人も逃げていくのです。
　へーっ。なんて私は思うのです。その人たち1年後にはどうしているのだろう。何と、あまちゃんばっかりで信じられないくらいです。かといって解雇がないとはいえないので戦う姿勢だけを妻に堅持させています。
　私の予想は会社はつぶれないがきっと大手に吸収されてしまうだろう。独占資本は大手企業を残して中小をつぶす方針なのであろう。それで大手はさらに大きくなります。Ｎ建設は2足3文で買われるのでしょう。国家はそうして日本経済の再興をはかろうとしている。その陰にどれほど大きな苦しみを労働者達が背負わされるのだろう、そう思うのです。これだけ人員削減が行われているがＮ建設会長の豪邸は芦屋の山から海を見下ろし、社長はとっくに資産を持って辞めてしまっています。今は、てんやわんや。
　だがもっと深く考えるとこの長期的不況が大恐慌に突然なりかねないが、かろうじて国家が銀行など金融の連鎖倒産を防いでいるがもう限度にきています。このような恐慌的経済が戦争を求めているのではないか。戦争が最大の消費です。そして他国から市場と資源を奪うことによって莫大な利潤が得られるのです。またそこにしか帝国主義の生き残る道がありません。この国の支配者でも恣意的に戦争の道を突き進むのではなく、それ以外に道がないのです。
　そのことの理解ができていないから私達が戦争の危機を訴えてもエキセントリックだと非難し、まるで「狼少年」のようにいいつらうのです。
　帝国主義というのはその政策をさすのではなくその体制のことです。世界は帝国主義によって支配され、世界の経済は帝国主義経済なのでしょう。その支配下からどの国も免れることができずそのために社会主義国家や共産主義国家は長期に存在することができないのです。
　帝国主義を打倒しない限り社会主義も共産主義も存立しないという問題がスターリン主義の問題なのです。よく私をスターリン主義者という人がいるがスターリン主義を単に独裁者という意味でいっているようで、いっている本人が言葉の意味がわかっていないのです。スターリン主義の必然的なあらわれとして官僚的独裁支配が生まれるのでしょう。でもこの話は短く表せないのでさわりだけになります。
　ただ社会主義国がスターリン主義にならざるを得ないのは資本主義各国の革命闘争の弱さと反帝国主義闘争の弱さが関係しましょう。世界のそれぞれの国の問題を単独で考察するのではなく、連関で捕らえねば理解されないのではないでしょうか。世界を歴史と連関で捕らえることが弁証法でそれを怠るところから誤った判断と行動が出てきているのでしょう。北朝鮮の金正日政権の独裁支配は日本革命とも連関していることをいいたいのですし、私達の責務について間違えるなといいたいのです。私達は北朝鮮労働者を孤立させているのだ。
　元に戻して、このような不況にあえぐ国民はその不満の捌け口を戦争と侵略に求めようとするのが今日の国民の反動化の物質的背景ではないでしょうか。そのために強力な指導者をもとめるその先に小泉があり、石原がいると考えます。このサイトに最近増えてきた排外主義はそのような背景から出てきたものでしょう。

　貫太郎さんの投稿は面白く、レジスタンスの映画の話も私には記憶があります。確か「ロンメル将軍」という映画だったかと思います。ファッシズムと戦わない、「俺は何にもしていないから処刑されるのはいやだ」といったって何にもしないことが手を貸したことになるんだということを今に多くの人も今に知らしめられるでしょう。
　私は司馬遼太郎を好きだったのですが、貫太郎さんとまったく同じで「坂の上の雲」で腹が立ってしまい評価するのを辞めました。バルチック艦隊を壊滅させた秋山という四国出身の軍人を英雄に仕立てているが,若々しい日本帝国主義がツアー打倒のための1905年革命前のロシアと戦争をしていたのです。帝国主義賛美でしょう。そのころはロシアが内乱的革命の高揚期に入っていたのでしょう。戦艦ポチヨムキンの叛乱が1904年だったと思います。この頃からレーニンが光彩を放ちはじめます。
　愚羅虫さんは竜馬が好きで「おーい、竜馬」と四国で叫んだそうですが、天皇制の討論で相当に深手を負ったのか、顔を見せないので心配だ。そういえばｓｋさんもどうしているのでしょうか。