前略
理性主義者さん、理性と名をかえられたのですか。
前回、私はあなたに返事したのですが、ミスったせいで届かなかったようです。同じ
コトを書くのは苦手なので、はしょりますが、どう考えても、あなたの障害に関する
視点はいびつです。天邪鬼さんや新谷さんに対する返事も、冷酷なもので、人間性を
感じません。
そもそも、私たちは、戦争に直面し、日本国家ごとこの未曾有の歴史的事件にたち
あい、個々の生存に関わる問題として、もっとも、真っ先に選別・根絶される弱者の
立場から、声をあげているときなのではないでしょうか。
天邪鬼さんが、Kさんが自らをまな板に載せ、全存在をかけてこの本質をうったえ
ているときに、まったく、その思いを無視、心に氷をたたきつけるような文言をぶつ
ける。いったい、本当にあなたは、それでも、障害者の親ですか?
私は、あなたが故意にある種の「割り切り」をすることによって、障害をもつ親と
しての困難性や哀しみを隠蔽なさっているのかと思いましたが、延々と続く、差別的
な冷静な?視点に、そうではないと悟りました。
「お涙頂戴なんていらない」けれど、障害をかたるとき、障害者は「障害を持った
人間」であうということ、あなたと同じきもちを、赤い血をもったなまみの生を生き
るものなのだという自覚はありますか。
天邪鬼さんへの「犯罪云々」には怒りを通り越して、言葉がでません。人の原稿を
きちんとよみなさい。天邪鬼さんは、買い物に行って、自分と同じ「生活者」のオッ
ちゃんのやさいをかいにいって、足の障害を差別的にあつかわれているのですよ。意
図しないでふれたかぶつかったかに気づいて謝ろうとした矢先に、罵倒されまくった
のです。しかも、子どもがいる前で・・・
ふつう、商売人が客の買い物を他意もなく、妨害しますかね。車椅子は一目瞭然で
す。その男は目がみえるのですから。故意に天邪鬼さんを貶める狙いがあったのは当
然です。そうでなくても、からだが不自由の人をみて、援助するのがまともな感覚な
のに、この男の行為はヤクザの因縁以下の何ものでもありません。
あとで、天邪鬼さんが「仕返し」をしましたから、私も、何とか心がおさまりまし
たが、まったくもって、気味の悪い、いらつく出来事です。
先の原稿で長々書きましたが、理性さんの論理をすすめていくと、ある人間のため
に、ここではある「一定の健康を持った人間」をいかすために、そうでないものを犠
牲にして当然といった論理に行き着きます。老いとか、美でさえ、もっともっと、と
あくなき追求をしていくもののみが、そうした欲望をかなえるために、金と力で(つ
まりは暴力)あまたの人間の生存を脅かすのです。
ちょうど、今現在、ブッシュが英国がイスラエルがそして日本がイラク占領をして
いるのとおなじ構造です。さきに「9人を生かすために一人を殺す思想」を憎むとか
きましたが、まさに戦争は「あるものをより贅沢にいかす為に、他のものを犠牲にし
てその人肉を食らうこと」です。
資本主義の本質です。このおぞましい本質が日本をシステム化し、世界を金融グロー
バルという網目システムで覆っているがゆえに、「非人間性」がその権益をほしいが
ままにすると今のような戦争が拡大していくことになるのではないでしょうか。
共産党の言う「資本主義の枠ないで」というのが一理あるのは、まさに、この実権
を握る輩が、まこと、人間性を宿している限りにおいてのことです。政治家でも政党
でも、ひとたび、権力を手中にしたとたん、人間性はなぜか「野獣性」になってくる
から、なんとも、不気味といえます。
「うばい合えば足らぬ わけ合えばあまる うばい合えば 憎しみ わけ合えば 安らぎ」みつを
理性主義者さん、私はあなたのお子さんからの視点がとても気になります。治療云々
の以前に、障害を持つことになった人のこころをかんがえませんか。ちかづきません
か。
想像力という健康なあたまとこころがある人なら、あなたの中にある、見えない障
害を自ら意識してください。
治療技術が向上しても、頂点はないし、治療と損壊はコインの表裏であるというこ
とにも気付いてください。
片目を失ったものが片目を得るためにまずはどうするのでしょうか。臓器を損壊し
たものがそれをえるためにどうするでしょうか。
私は、いまあるもの、今ある命で限りなく生きるという生が好きです。人間という
常識の範囲内での治療はもちろんなされなければならないし、そんなことは何も、声
高に言う必要もなく、日本の技術・文明がまともな人間によって継承されていれば善
いのです。
自然と人工のバランスとでも申しましょうか。人間に備わる叡智、これなくしてど
んな文明も技術も百害あって一利なしであることは、ブッシュ政権がしめしてくれて
います。
私たちはもう少し、今ある現実から学びませんか。