今回の「自己責任論争」ですが、今見ている「サンデープロジェクト」という番組で、拓殖大学の森本氏が意外な発言をしていました。これは「自分で何もできないことを知っていた小泉政権が、人質が殺された場合の言い訳に用意したもの」というのです。特に目新しい話ではないのですが、常に政府寄りの発言に終始する森本氏が、かなり軌道修正を図っていることが見て取れます。米国のイラク戦略にも批判的なコメントをしていました。イラク情勢、年金改革、景気の動向で、いわゆる体制派の中にも「そろそろ小泉はやばいかも」という意識が芽生えてきたのでしょう。
自民党内部でも「参院選挙で1議席でも減ったら小泉内閣は終わり」という声が出ています。その反面で、今週の朝日のアンケート調査では「小泉続投支持が7割」とのこと。愛すべき日本人民は、まだまだ小泉さんが大好きという明確な(?)結果も出ています。
さて、なぜこれほど小泉総理が大衆に愛されるかという議論は別の機会に論ずるとして、イラク問題での政権側によるマスコミ操作の凄まじさは、いわゆる共産・社民の「戦後サヨク」には対抗するすべもないものです。わが「しんぶん赤旗」の熱烈な報道も、しょせん一部党員にしか影響力は持たないですし、いまだに「良識あるマスコミ報道を望む」などと、相変わらず「夢見る夢子さん」的な、オータカラズカ的な世界にいる「戦後サヨク」には、エネルギッシュな保守支配層の戦略には、もうついて行くこともできない状況です。
日本の大衆マスコミは、戦前の「翼賛体制」を持ち出すまでもなく、もともと権力に弱い体質があります。マスコミの社員に庶民家庭の出身者が少ないのはよく知られていて、要するに、金持ちとエリートの子弟がほとんどなのです。ですから、マスコミ関係者は、いわば「体制派の尖兵」として活動しています。そういう土壌があるからこそ、政権の意向に敏感に反応し、忠犬としての役割が果たせるのです。
それでは「組合はどうなんだ!」という反論がありそうですが、マスコミ関係の労働組合は「貴族組合」です。執行部は「平和・反戦」など、進歩的な発言が大好きですが、言うだけです。新聞労連は「正社員の記者は危険な場所に行かないよう、フリーを行かせろ」と言っています。まあ、これが現実です。しかし、嘆いてばかりいても暗くなるだけです。前向きなことも・・・まず、首相秘書官(飯島)を証人喚問させましょう。彼がマスコミ操作の張本人という指摘が、複数の出版媒体で出ています。
また「化石さん」の指摘のように、海外の動きと連携することが大切で、特にマスコミ人が弱い「欧米の声」を利用すべきでしょう。米国のパウエル国務長官は「人質となった若者を誇りに思うべき」と発言しました。さらに米仏の一流紙も「若者や家族へのバッシングは恥じるべき」と書いています。ついでに言うと、パウエル氏は「誰かがリスクを負わなければ、世界は前に進まない」とも言っています。この言葉は、多くの日本人には理解されないでしょうが、せめてこの掲示板に来る方は、しっかり理解して欲しいです。人質の中には「甘チャン」もいましたが、彼らが世界に対して「日本国民すべてが米国の奴隷ではない」と伝えてくれました。