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勘太郎さまもう一度共産党宣言を読み直して見ませんか?

2004/4/4 寄らば大樹の陰、50代、苦闘するフリーター

勘太郎さまの投稿についてはいつも感銘を受けています。
しかし今回の「労働運動と市民運動の共闘」については大きな違和感を覚えています。
私は今、本当に些細なサークルですが様々な人たち、お坊さんや神父さん、「障害者」の方、また市民運動をリードしている若者などと「共産党宣言」の勉強会を行なっています。
そしてその中でマルクス(当時まだ30歳の若さです)が書いている事の新鮮さ、社会の分析の鋭さ・的確さ、そして仰るように150年前の労働者が於かれていた状況と、現在私たちが直面している状況の余りにもの類似性、現実との合致に、しばしば驚かされています。
確かに一部には当時特有の事象もあり、それに大いに影響され参考には出来ない部分も、限界性もあります、そのことは否定しません。
しかし、マルクスは資本(蓄積された資本)の国家の枠・国境すらものともしない全世界的拡大と支配など、現在私たちが様々に囚われ・直面しているているグローバリニズムすら見事に言い当てています。
そして何よりも労働者団結のすばらしさを訴えています。
勉強会で臨時工として大企業の下請けで働いている労働者など「ここに書かれていることは今の自分の仕事と一緒だ」と驚いているくらいです。
いくら近代科学が進歩し、かつての産業革命で1年かかった事を数日でやってしまう技術的進歩があっても、資本と労働者の関係は殆どといっていい程変わっていません。
搾取する側と搾取される側、言い換えればブルジョワジーとプロレタリアートの階級への分裂は今現在、明確に存在しています。
この前NHKの21世紀スペシャルで、かつてアメリカの自動車産業の中心の町だったデトロイトが、日本企業との競合に破れたため町の中心部にあった工場が閉鎖され、町が賑わいを失いスラム化したこと。
そのため町の貧富の差が極限的に拡大し、スラムで生活保護でしか生きれない貧しい人々と、郊外に脱出した銀行マンや知識階層などの富裕層とのドーナツ現象が発生し、これら現象がアメリカ各地に見られていることを特集していました。
言うまでもないのですが、労働者がいくら過労死を覚悟し、家族を見捨てて夜昼なく懸命に働いても、ビル・ゲイツや経団連の奥田会長などのブルジョワジーになれることは殆ど、決してないと言っていいほどありません。
二大階級への分裂とは人間の頭数などではなく、圧倒的少数だが世界の富を独占的に支配し、政治体制も思いのまま支配している階級と、圧倒的多数だか貧しく自己の再生産するだけで精一杯で、一生かけて頑張ってもせいぜいちっぽけな終の棲家・マイホームを建てられるかどうか分からない労働者階級のことなのです。
おそらくこの日本でも支配階級・ブルジョワといわれる人々はせいぜい2・3%でしょう、あとの97・8%は労働者階級なのです。
この事は企業でも同じです、日本の企業で「勝ち組」と言われるのは大企業の2割もないでしょう、あとは圧倒的な中小企業を含めてみんな「負け組」なんです、いずれ没落していくと言う事です、指数でいうとおそらく「勝ち組」はコンマ何%しかないと思います。
150年前にマルクスが喝破したことは、今まさに現実となっています、決して古いことでも、観念の世界のことでもはありません。
確か誰かが言っていました、「現在のアメリカは最大限発達して腐朽する寸前の帝国主義ではないか」とー。
私たちに階級関係がボヤッとしか見えないのは、支配階級が生き延びる為にその物量や知力を動員して、支配・被支配、搾取・被搾取の真実を隠し、春霞のようにベールを張って覆い隠しているからなのです。
労働者を買収し懐柔したからこそ、今の様な闘えない労働組合が形成され、組織率2割を割るまで勢力を失わされたのです。
また資本企業への忠誠心を疑わない労働者が形成されている事も事実です。
しかし今、この関係を打ち破る為にこそ、新しい労働者の連帯の試みや国際連帯の闘いが模索されているのではないでしょうか?
勘太郎さま、「古典は古臭い」などと言わずに、もう一度共産党宣言を本当に一行ずつ、それこそスローライフ的スタイルで読み返して見ませんか、必ず真新しい何かがあります。
そして必ず分かり合えると信じています。