「全解連」が「地域人権連」とかに「発展的転換の為」に解散した。
「部落問題解決の最終ランナーとしての栄誉」とか「民主主義を守り国民融和の理論」
とか何か判らない形容オンパレードでー。
しかし私は「全国水平社以来の八十二年にわたる運動をふりかえる」なら今や自衛隊
がイラクに派兵され、有事完全施行法案が大手を振って提出され、教育基本法の改悪
が上程過程に入り、「日の丸・君が代」によって教職員が大量処分され、そして大政
翼賛化国会の中で与野党相通じて「改憲」が俎上に上ると言う危機的状況の中で、人々
の生存の根幹となる人権擁護と尊重を標榜する団体が解散するなどもっての外であり、
とんでもない誤りだと考える。
全国水平社は1937年「非常時における運動方針」として転向、戦争協力への道へ
方向転換し、1940年大政翼賛会へ加入した。
そして被差別部落出身者は皇軍の中でも差別を受け、かつ「爆弾三勇士」などと徹底
的に利用され命を失ったのだ。
「地域人権連」とかに何が出来るか知らない、しかし戦争、または戦争国家化が進む
中での「全解連」の解散は全国水平社が犯した誤りと瓜二つとしか思えない。
戦争国家化への圧力が強まり、様々な強権的弾圧が強まる時に尻尾をまいて逃げる組
織などに誰が信頼を寄せると言うのだろうか?
おそらく日本共産党員の方でも全解連の同盟員の方でも、現実として部落差別が、拉
致問題を契機とした排外主義の嵐と踵を合わす様に増加していることを知っている、
身をもつて感じている筈である。
このに現実に目をそらし、過去の「負の歴史」に目をつぶることが許されていいと言
うのだろうか?
先に神戸市で同和対策事業による市営改良住宅の不当な値上げ、「応能応益制度」適
用値上げに対し、家賃を供託し闘ってきた部落の人々の家賃訴訟が、神戸地裁で「収
入見合いは無効」と言う画期的な勝利判決が勝ち取られた。
この勝訴は全国で初めてとのことだが、闘い続ける事によって勝利は得られるのであ
り、不当なことに対して闘う姿勢を失ったら何にもならないことを教えてくれている。
国家が危機に瀕し戦争に突き進む時、一番利用されるのは差別・排外主義である、戦
前の日本もドイツもこの感情を利用して戦争に突入して行ったのだ。
今の国会で年金問題の次に、有事完成法案が審議されようとしている、その中でもや
はり「国民保護法案」が最大の攻防戦となる。
この法案は国民保護などと謳いながらその実、私たちの人権を破壊し、戦争協力者に
仕立て上げ、この国のあり方を戦争体制に転換することを目論む戦時法案である。
私はこの法案は「天皇と支配階級を守るため」に私たちに儀性を強いる「国体保護法
案」だと思っている。
強制しないとの条件付きで成立した「国歌・国旗法」が、自衛隊のイラク派兵と言う
情勢の中で牙を剥いた様に、私たちもみこの国民保護と言う名前が付けられた戦争法
案を決して成立させないように、陸・海・空・港湾20労組を先頭として闘って行こ
うではありませんか!