今日も通勤電車の中でくり返しアナウンスが流れる。
「ただいまテロに対する警戒を強化しております。不審な物を発見したら直ちにお近くの係員にお知らせください。お客様のご協力をお願いいたします。・・・」
いま、巷では公務員党員が休日に政治ビラをまけばつかまり、都立高の卒業式に教職員が「君が代」斉唱時に起立しないだけで処分されるという。
少し前には異常と思えた光景が、だんだんと私たちの日常にはいりこんでくる。
イラクでは、イラクの人々をなお大量に殺戮し続けている米軍の指揮のもと、自衛隊が「人道復興支援」をなすというまったくの論理破綻がまかりとおっている。テレビでは、自衛隊が現地住民と「仲良く」やっている光景を毎日映しているが、この戦争の本質をまったく無視した、とんだ茶番だろう。特に「国営放送」と化したNHKにおいてはいいかげんにしてもらいたい。
一方、米英のイラク攻撃から1年が経ち、イラクではますます占領軍を追い出すための抵抗が激化している。米政府はこうした動きに対して現在13万5千人の占領軍をさらに2万5千人増派する計画をしているという。彼らはかつて泥沼にのめりこんだベトナムの経験から何も学んでいないのだろうか? そして、それに盲目的に追随する日本も。
スペインでは、野党の勝利によってイラク占領軍の撤退が決まった。日本はどうか。最大野党の民主党の議員までもが「黄色いハンカチ運動」なるものに荷担して、派兵の是非を論じるべき国会議員の責任を放棄している。私には、ある意味滑稽にさえ見えるのだが。
ついにイラクでは邦人3人がつかまるという事態にまで発展してしまった。「ムジャヒディン旅団」の声明を聞くと、彼らが一方的に空爆され、劣化ウラン弾を打ち込まれ、命を徹底的にふみにじられて言語道断な立場に置かれた怒りが伝わってくるようだ。しかし、拘束された彼らを決して死なせてはならない。・・・この侵略戦争に荷担した日本政府の責任は限りなく重く、この事態においても「テロに屈しない」といまだ言いつづけている小泉首相の言葉は限りなく軽い。
今日、駅頭で「緊急赤旗号外」と銘打ってまいた邦人3人の拘束問題のビラは、いつもの3倍近くはまけました。そろそろ私たちが反転攻勢に出ないと、行き着くところまでいくという思いです。まだ手遅れではないと思います。何とかしましょう。