5月21日明治公園での陸・海・空・港湾労組20団体など主催による、「自
衛隊の即時撤退!STOP!有事法制 守ろう!平和といのち5・21大集会」に参
加しました。
金曜日の夕方午後5時半からの集会でしたが、お勤め帰りの労働者や市民学生など
多くの方が集まりました。
そして数多くの旗や幟、横断幕、ゼッケンと多彩で様々な思いの方、また組合動員
された方等、いろいろ参加された事と思います。
イラクでの有志連合軍の占領の下での虐殺、不法拘束者への拷問・虐待の発覚、そ
して「人道支援」、「復興支援」の名前で送られたの自衛隊の米軍への物資や兵員輸
送などの戦争協力があり、そして年金問題、拉致家族帰国の陰で、着々すすむ有事7
法案、ACSA改訂など戦争協力法案への、怒りの結集だったと思います。
しかし集会に参加して思ったのですが、現場で発表された1万2千人、新聞等での
1万人以上の結集といえ、やはり旗や幟の多さに比べ「人」の参加はまだまだ少ない
のです。
おそらく小泉首相などこの集会には見向きもしなければ、関心も払わなかった、残
念ながらこの集会にはそれだけの「力」しかなかったのだと思います。
為政者・権力者の心をも揺るがす、これら政治集会への圧倒的な労働者・民衆の結
集、参加の鍵は、やはりなんと言っても労働者の自主的参加であり、労働組合の積極
的な参加だと思います。
しかし、それは現状の動員方式が、メーデー方式の「動員費が支給されるから参加
する」とか「何かあれば代表派遣」で済まされる現状が打破され、抜け出さない限り、
何の力にもならないし、何も変える事は出来ないのではないでしょうか?
組合掲示板に、この集会には何人、この集会には何人と「動員指示書」が張られ、
「それまでは何もしない、動かない」の状況が変わらない限り、労働者にとっての未
来も希望も、夢も獲得できないし、実現出来ないと思うのです。
19世紀後半から20世紀前半にかけての全世界的革命期に、またこの国での戦後
革命期にも、これら動員方式はなかったし、ありえなかった。
今、米軍や占領軍に対峙し抗議しているイラクの失業者組合を始めとする労働者・
民衆もそうではないと思います。
本来労働組合は「万人は1人の為,1人は万人の為」を原則としてきた筈です、負
担の少ない組合費で、個々の組合員を資本・職制の横暴から守り、お互い助け合い、
そして賃金、労働条件はもとより社会的要求などもその「団結の力」によって実現し
てきた。
しかし今、大半の労働組合は文字通り組合費に見合うだけの事しか、しなくなり、
人間的感性すら喪失して実質「利益擁護団体」と嫌われ、揶揄されるまでに転落して
いる。
資本や企業が生き延びる為といえ、表面的には「社会的責任」とか言って、環境や
地域に取り組み、関与しようとしている時、労働組合がそ知らぬ顔という、逆転現象
すら起きているのです。
今、全国各地で合同労組とか、XXユニオンとかの個人加盟の労働組合が増えていま
す、これはひとつには、パート、派遣や請負、フリーターといった不定形・不安定雇
用の低賃金労働者が急増し、しかも大半の既存労働組合がそれに手を差し伸べないこ
と、そしてリストラ・賃下げ、首切りそして労働条件の著しい悪化、切り下げが増加
し、1人や少数では闘えない、わが身さえ守れない環境下に置かれた労働者が、仲間
を求め労働者としての団結を求めて参加していることが原因です。
またこれら組織に加入する労働者は、これまで個別に闘い、悩んできた人が多く、
自身の労働的諸権利については勿論、社会的なことや政治的関心も高いく意識的な人
が多いのです。
だから彼らは労働組合から動員費や交通費を貰わなくても、関心を持つ集会であれ
ば自腹を切ってでも参加する、そこに希望を自らの明日を見出しているのです。
今、「組織率が20%を割った、大変だ」、「労働運動は危機に瀕している、何も
出来ない」、そして「組織を守るために賃上げは要求しない、雇用だけは守れ、スト
ライキなんて、政治闘争なんてとんでもない」との声がナショナルセンターから、大
手労働組合の幹部からでています。
しかし、今私が読み直しているレーニンの「国家と革命」で、ハタと気づかされた
のですが、20世紀前半、世界が革命期にあった頃、世界最大の勢力を誇った社会民
主党(SPD)の下、プロレタリア革命に一番近かったとされるドイツで、労働組合の組
織率はなんと20%に過ぎなかったのです。
おそらく革命を果たしたロシアでは、それ以下だったのではないかと思います。
確かに昔より組織率は低下したかも知れませんが、それにカウントされない労働者
が着実に増えている、労働組合本隊の高齢化・保守化に対し、それら新しい組合には
若者の参加も多いのです。
職場でカッコつきと言え「成果主義」、「能力主義」が強引に推進される中、労働
組合もこれまでのような経験主義、若年寄り的な在り方から脱皮すべきではないでしょ
うか?
そしてメーデーや組合大会などの参加は除いて、政治的集会など様々な催し物への
参加は、動員方式を改め、参加者に権限を委譲し、斬新でユニークさをもった試みが
なされれば、組合員の意識向上にもつながるし、その集会やデモでの経験を職場、組
合に持ち帰れば、新たな認識を共有する事も出来ると思います。
また集会での葬式デモは止めるべきでしょう、楽しく明日の元気につながる面白い、
機知に富んだシュピレヒコールも必要でしょう、先導車のスピーカーだけが元気のい
い、デモでは疲れるだけです。
職場で、仕事では様々な創意と工夫が要求されるのに、労働組合が旧態然であれば、
若者達を始めとして、誰も組合運動に興味など持たないでしょう。
話しが少しそれますが、今インターネットで流行の、2チャンネルの一部や、右翼
ネットと言われるものの中には、職を失ったり、日常の職場、労働で吐く事の出来な
い若者達の鬱憤が、それなりに組織され歪んだ形で、表現されているのではないかと
思っています。
労働組合も変わるべきなのです、それも大きく変化していくべきです。
それにはどうしたらいいか、色々な角度から、経験から、様々な試みから論議を重
ね、検討しょうではありませんか!
そして最後に、6月4日日比谷野音での陸・海・空・港湾20団体主催の、おそら
く有事法反対の最後となるかも知れない集会への、再度の結集を呼びかけて終わりま
す。(それとお節介ですが、5,21で折角カンパアピールしたのに、誰も取りに来
ないし、来たのでお金をもって手を伸ばしても、そのまま通り過ぎる、みんなビック
リ、唖然です。やはり自分の事と思っていないのですね)
5,26付け「労働組合のことについて討論しましょう」の投稿のラスト部分で「6月4日日比谷野音での陸・海・空・港湾20団体主催の集会へ結集を」と書きましたが、再確認のところ誤りでした。
申し訳ございません。
陸・海・空・港湾20団体の皆様にも重ねてお詫び申し上げます。