さつきさん、Sekeoさん等に総括的にお答えします。
イラク戦争投稿欄といったりきたりになっているようですが、そちらも参考にして
下さい。
1 劣化ウラン弾の毒性について
何回か言及していますが、殆ど無害という説から核兵器並の毒性を有するという説
まであります。
科学的根拠あるいは実測によるデータという観点からは、米国研究所や文部科学省
が主張しているものに理があると思えますし、癌等に罹る率や先天性異常児割合等の
統計に係わる証明については、統計的に証明できる程の十分なサンプル数確保やその
原因が劣化ウラン弾の影響によるものか、個人に内在する原因により発症したものか
の峻別も大変難しいものがあり、評価が定まるまではまだなお長期間にわたる地道な
努力が必要であり、現状で断定することは出来ないと思います。
2 イラク国民の目線から
イラク戦争欄5/25の拙稿でも述べましたが、広島や長崎は今後100年は草木
も生えないと云われました。
しかしながら、広島・長崎の人達は先祖伝来の土地がそのようなことになる訳がな
いと、これを克服し美しい都市を蘇られました。
恐らくイラク国民も同様と考えます。
我々の聖なる土地が邪悪なもので汚染される訳がなく、そのようなことをアラーが
許すはずがないという強い信念を持っていると思います。
私は、イラク国民の考えの方が寧ろ正しいと考えています。
またイラクは日本の何倍もの広さの国土を有する国です。
イラク全土が劣化ウラン弾汚染に曝されているように煽っている人は、生物の染色
体は破壊され、広島・長崎には草木が一本も生えないと云った人に近いものがあるよ
うに私は感じます。
理論上はそうだったかもしれませんが、現実は違いました。
まして劣化ウラン弾に関しては、諸説紛々としており、科学的な根拠や統計に裏付
けられたものではなく、可能性を論及した推論が殆どです。
また劣化ウラン弾被害ハザードマップみたいなものを作成して、イラク人民のため
に警鐘を鳴らすと云った類のことが必要とされているとも思えません。
そのようなことをしても、イラン人民にとっては、多分余計なお節介です。
劣化ウラン弾の毒性をことさら、強調する狙いは、イラク人民のためと云うよりも
寧ろ例えば反米のための政治的キャンペーンのためになされている色彩が強いと思っ
ています。
3 宗教的対立について
イラク戦争においても宗教が大きな光と影を与えていることは間違いなく、またユダ
ヤ、キリスト、イスラムはそれぞれにいろんな宗派はあっても、一神教でありその対
立は根深いのがあります。
それぞれが正義は我にあり、対立するものは邪悪なものと考えていれば争いは絶え
ません。仮に日本がキリスト教国家であったなら、米国は広島市民の頭上に原子爆弾
を投下したでしょうか。
歴史にイフはないので誰にも分かりませんが、独ナチスに対しては原爆投下の計画
すらなかったことを考えると、日本が異教徒であったことは原爆投下を容易にしたと
の想像は出来ます。
米軍の捕虜虐待もその背景には宗教対立がなかったとは言い切れないと感じてます。
これまた、歴史にイフを持ち込む話ですか、中東ではイスラエルが近代兵器でパレス
チナ自治区を攻撃し、パレスチナ人は自爆テロによりイスラエルに報復するという図
式が繰り返されています。
しかしながら、2000年以上に及ぶ歴史の成展開次第では、逆にパレスチナが近
代兵器でイスラエルを攻撃し、ユダヤ人が自爆テロで報復するというような構図は、
十分あり得たことの様に思えます。