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一般投稿欄

ちょっと論点が違いませんか~5/27大樹の陰様へ

2004/05/31 樹々の緑 50代 会社員

 何日か振りにこのページを見たら、私の5/25付投稿に反応して頂いたこと を知りました。
 まず述べておきますと、私は、家族会メンバーの「子供の使いではないか」という 怒りには共感し、その後の横田さんなどの「反省」表明には、傷ましい思いを感じて いますが、だからと言って右翼的言辞に共感している者ではありません。

ご指摘の件ですが、近代の日本と朝鮮半島においては「離散家族」問題は今回の拉 致被害者のこと(北により日本人被害者が拉致されたおよそ25年前の離散と、9, 17日朝ピョンャン宣言による被害者の帰国に伴うジェンキンスさんと7人の子供の 1年8ヶ月間の離散、のふたつ)そして一番多い朝鮮戦争による1000万人とも言 われる朝鮮人の南北離散、そして最も古いのが日本の朝鮮植民地支配の時の強制連行、 強制徴用などによる南北朝鮮の人々の離散と、大まかに言えば各々性格が違うものが 4回発生しているのです。

 その通りだと思います。そしてあなたも認めているように、その各々の性格は「違っ ています」。私は、あなたが挙げる第3番目や第4番目があるから「北朝鮮人民は (第1番目や第2番目のような)新たな離散家族の発生を望んでいない」などとは当 然には言えないのではないか、と至極論理的見地から言っているのです。
 歴史的順番によれば、第3番目や第4番目の方が古いわけですよね。それでも第1 番目の「離散」は発生してしまったわけです。そして、第2番目の「離散」はその 「解決」過程で生じているわけです。

そしてそのどれも、在日朝鮮、韓国人を含めて、現時点でも全くと言っていいほど、 解決していないのです。
 これは朝鮮半島がまだ戦争状態にあり、終結していない事、そして植民地旧宗主国・ 日本が朝鮮半島の北半分の北朝鮮(共和国)へ、謝罪も補償もせず未だ国交正常化し ていないことも、その原因のひとつとなっています。

 あなたは、極めて慎重に「その原因の『ひとつ』」という表現を用いていますが、 ということは、大日本帝国の朝鮮植民地支配や、その後の朝鮮戦争の「休戦状態」の 存在が、あなたが言う第1番目の「家族離散」を正当化する根拠となるということな のでしょうか。ただ単に「原因」として客観的に指摘しているだけならば、その「原 因」をどのように評価しているかを、明らかにして欲しいと思います。あなたの論旨 は、結局「これはお合い子なのだ」と言っているように聞えるのですが、そういうこ とですか?
 私は、この論調でお解りのように、植民地支配の未総括や朝鮮戦争の未終結が客観 的な「原因のひとつ」ではあっても、そのことを以て第1番目の「離散」=拉致を正 当化することはできないし、ましてや、第3番目や第4番目の「離散」の被害者的立 場にあったから、現に発生している第1番目や第2番目の「家族離散」を望んでいる はずもないなどと、簡単に言えようはずがないと思っております。

 私はこれら未解決の問題は、なんといっても朝鮮半島の南北統一が実 現されない限り解決しないと思っています、そしてその鍵を握っているのは紛れもな く日本政府であり、私たち日本人なのです。

 この種の議論は、この欄でもし尽くされているとも思いますが、あなたは結局「こ れら未解決の問題」と言うことによって第1番目や第2番目の問題まで第3番目・第 4番目の問題と一緒くたにして、その「解決」が「朝鮮半島の南北統一の実現」まで かかってしまってもやむを得ないと仰有るのでしょうか。
 私が前回の投稿で問題にしたのは、「離散」の原因は「誰が」作っているのかとい うことです。先に不当な植民地支配を行ったのは日本(大日本帝国)であり、その清 算がなされていない以上、第1番目や第2番目の「家族離散」は、正当な反撃行為と 言えるのだ、ということですか?金正日政権は、正当な反撃行為として「本当はした くないのだけれども」やむを得ず第1番目の拉致事件を起こしたと仰有るのでしょう か。
 もちろん、金正日やその取り巻き連中と切断された意味での「北朝鮮人民」は、確 かに「新たな離散家族の発生など望んでいない」と言えるでしょう。しかしそれは恐 らくどの国の「人民」であっても同じではありませんか。
 あなたの論法で行くと、小泉首相が朝鮮人民の「離散」問題を解決しないのは、同 時に我々「日本人民」の責任でもあるけれども、金正日が日本人拉致家族の「離散」 問題を解決しないのは、小泉首相や日本人民の責任ではあっても「北朝鮮人民」の責 任ではないことになるのですか?
 私は、そもそも、金正日政権を北朝鮮人民の正当な代表者として認めることはでき ないと考えております。名目はどうあれ、民主主義的正統性・国際人権的正統性の見 地からは、あれは単なる専制君主だと思っています。その意味では、戦前の天皇制と、 政治体制においては五十歩百歩ではないかと考えているのです。だから、これら「離 散」問題の責任を両「人民」に帰することは不適当だと考えていますが、あなたは、 小泉政権も金正日政権も、両国人民の正統性ある代表者だとお考えなのでしょうか。