いまの憲法を世界に誇るべき最高の法規という論があればそれは間違っていま
す。この憲法を完全に実行したところで労働者の搾取を資本家に保障しているし、天
皇制を温存しています。この憲法はブルジョア憲法なのです。 護憲を党の方針にし
ているために党は天皇制を容認することになっています。これは綱領を憲法に従属さ
せているブルジョア党のあり方です。革命党としてとるべき天皇についての方針は天
皇制の打倒であり、憲法から象徴天皇をなくすことです。党の指針であるべき綱領と、
改憲という帝国主義者の攻撃に対するたたかいののためのスローガン「護憲」を、同
一平面上で扱ってはならないのです。
いま憲法問題がもっとも重要な階級闘争の焦点になっています。この改憲問題は労
働者階級から出されたものではなく、日本の支配階級から労働者、人民への攻撃とし
て長年追及されてきた挙句出されてきたものです。情勢は彼らに非常に有利です。共
産党を除くすべての政党が改憲側に立ち、取るに足らない議員しかいない共産党です
ら議会主義の中でしか戦おうとしないのです。議会制民主主義しか主張できない党で
あるならば改憲反対を党が主張したところでアリバイ作りにしかならないのです。チョ
コ、チョコと集会を開いたところで不安と怒りに燃える人民のガス抜きにしかならな
いのです。このような状況下で私有財産を無くせとか生産手段の社会化を憲法に入れ
ろとかいうこと自体、保守、反動どもの思う壺であり、改憲論に組する以外の何もの
でもありません。われわれは受身に立っているのであるから憲法を守れ、憲法改悪反
対、改憲、創憲反対がスローガンでなければならないのです。主導権をわれわれが握っ
たときは憲法に民主的条項を拡大させよというでしょう。
もしも松本ジョージさんの主張するようにすれば私たちはこの不十分な憲法をすら
守れないので非常に危険な主張だと思います。社会主義憲法をいまなぜ主張せねばな
らないか私には理解できないし落とし穴にしかならないと思います。憲法改悪反対が
ごろが悪ければ護憲でいい。小異を捨て大同について改憲を阻止しなければならない
のです。戦争への道をとめどなく突っ走っていくこの国なのです。社会主義憲法は革
命党の綱領問題で目標なのです。また社会主義革命が具体的な日程に上ったときに強
力に主張すべきことで、いつでも言うべきことではありません。かといって隠す必要
もありません。
つまらない議論で方向を見失ってもいいのんびりした情勢でしょうか。まなじりを
釣り上げて戦争に反対し改憲に反対しなければならないときに、愚にもつかないこと
をいって混乱を持ち込むべきではありません。