ご投稿ご苦労さまです、私も「どうしょうもない護憲派」なので少し弁明させて頂きます。
まず前提的なことですが、現在の日本国憲法は明白に「戦前への反省」を前提として作成されたものです。
アメリカGHQや日本支配階級の思惑はどうであれ、もう戦前のような戦争国家にはしない、軍備も持たず平和主義に徹しようと作られたものです。
それはGHQで憲法制定に携わったアメリカ人スタッフ、ベアテ・シロタ・ゴードンさんもはっきりそう確認されています。
敗戦直後の日本は、それこそ今のイラクのような混乱の状況下にあったと思います、革新ー革命的というより、職と生存を求める労働者の力には激しいものがあった。出獄した共産党にもそれなりの力があった(これ多少サービスですがー)。
これを抑え込むにはどうしたらいいのか、しかし一方で戦前のような軍備を持たせるのも怖い。
そこで利用されたのが天皇制です。
天皇制はせいぜい明治以降民衆の中に植え付けられただけなのに、民衆を支配するにはまだ都合のいい存在だった。だから慌ててヒロヒトに「人間宣言」を表明させ、公然の場でマッカーサーに命乞いさせて取り込んだ。
ついでに国体護持と、本土の盾として甚大な被害を与えた「沖縄」もついでに売り渡した、これだけでもヒロヒトの罪は重い、重罪です。
それらの結果が我が「日本国憲法」なのです。
片方で戦争の放棄、軍備を持たない平和主義、民主主義を掲げながら、条文の前にはそれらと全くそぐわない天皇条項を置いた、それも「国民統合の象徴」だ何て訳の分からない肩書きつけてー。
見事という他ない折衷案・妥協の作品です。
しかし戦後革命が共産党の裏切り?とアメリカの武力によって鎮圧され、そしてやがて朝鮮戦争など東西冷戦が始まるー。
今の憲法なんて妥協の産物です、理想でもなんでもない。
しかし少なくとも疲弊した日本の民衆にとっては、そして復活したい企業・資本にとっては、世界の荒波から自らを守る程よい憲法、基本法だったのです。
民衆にとっても、少しばかり天皇制が気になるものの、徴兵される事も、何処かへ無理矢理徴用される事も、そして特高や憲兵の目を気にする必要もなくなったのだから、戦前と比べたらホント天国なんです。
こんな状況の中で、いかに独自の目的を持ち綱領を持つ革新政党、そして労働組合といえど、「憲法を改訂せよ」など言う必要もなければ、反対する理由などある訳もない、全くなかったのです。
勿論、次第に資本によって育成され復活して来た右派政党は、「改憲」を唱えてはいましたがー。
それが政党が様々に変遷し、総評ー連合と労働組合の質的変化はあるといえ、与党野党も含めて、これまで60年近く憲法を守って来た原点、文字通りの「護憲」として維持されて来たのです。
また憲法はやはり現実に作用する「基本法」ですから、その枠内で存在する限り、どんな政党や労働組合であろうと、尊重し擁護しなければならない。
特に公務員さんは国会議員と共に、民間の人々よりより重いの憲法尊重、擁護義務(憲法99条)がありますよね。
共産党、社民党が護憲を言うのは余りにも当たり前の事なのです。
そしてそれこそ「一党独裁国家」でない限り、世界のどこを見ても、その国の憲法と同じ綱領を持つ政党はないし、ありえない。
共産党が、社民党が憲法に民主集中制とか科学的社会主義とかを入れろなどと言う必要は全くないのです。
またなぜ護憲を強調するかといえば、年金の国会審議を見ればわかる事ですが、今の国会は戦前とそう変わらない「翼賛体制」が既に作られています。
仮に人権とか環境権を憲法に織り込めと要求すれば、それいい事かと憲法は平和主義や民主主義などお構いなしの、戦前の「大日本帝国憲法」と殆ど変わらないものになってしまいます。
土井たか子さんが「ダメなものはダメ」の立場放棄したらしいけど、「護憲」は今だから絶対必要なのです。
創憲とか論憲、加憲などの言葉に操られ、安易に乗ってしまったら、それこそ戦後やっとの思いで維持して来た「平和憲法」をそっくり失うことになりますよ。
やっぱり戦争より平和がいいではないですか!
それとも公務員だからといって、ブッシュや小泉たちのウソとペテンを信じて息子さんやお孫さんをイラクや北朝鮮の戦場に送り出しますか?
少なくとも私はごめん被ります。