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国交正常化と金正日政権の評価は連動するのか~5/29長壁様に関連して

2004/06/02 樹々の緑 50代 会社員

 このサイトを丹念にチェックしているわけではないので、誤解や理解不十分の点があればご指摘願いたいのですが、上記長壁さんの投稿は、リンク先の議論を参照せよということですよね。
 私と「寄らば大樹の陰」様の議論(私は「論争」とは考えていません)にも関連すると思われるので、ちょっと参加させて下さい。
 私は、北朝鮮の金正日政権は、同地域に在住する人民を正当に代表する政権ではないと考えていますが、それは、いわゆる「事実上の政府」として一定の地域に対して「実効的支配」を継続的に確立しているというだけで、当該国家の正統性ある政府だと認めることは、現在の国際的環境の発展段階を考えると適切ではないと思っているからです。日本共産党は確か、全斗煥政権から盧泰愚政権への移行に際して南朝鮮政権の表記を「韓」国という括弧付きのものから改めたように記憶していますが、その際の理由付けとして、「一定の民主的正統性ある政権と認められる」と言っていたように覚えております。また同党はカンボジアのポル・ポト政権による大量虐殺が明るみに出るに及んで、「実はわが党は、アジアの社会主義政権として評価するにはポル・ポト政権に対して疑問を持っていたので、アジアの社会主義国数をぼかして表記していた」と主張したように記憶していますが(確かな話でなくて済みません)、その言訳の仕方は別としても、そのような姿勢自体には、好意的なものを感じておりました。
 確かに、それでは翻って小泉政権が日本人民を正当に代表しているかと言えば、私はやはり「ノー」だと思っております。「人民」を「国籍を持つ者」と違った意味で理解する限り、小泉政権は日本の支配層を代表しているだけで、我々日本人民を代表などしておりません。だから我々は、小泉政権が笑いものにされても、別段屈辱感を懐くこともないのでしょう。  そこには、社会科学と法学との難しい接点に属する問題が横たわっていると考えますが、問題は、やはり2つに分解して評価を明らかにしてから議論すべきではないでしょうか。すなわち、金正日政権を現北朝鮮人民の正当な代表者と認めるのかどうかということと、それを相手にして「国交正常化」を図ることは妥当かどうかということは、別の問題だということです。恐らく長壁様は、前者は否定、後者は肯定されるのではないかと愚考しているのですが、その場合さらに、「何のために、単なる事実上の政府と『国交正常化』を図るのか」が問われるべきだと思います。「ゆでがえる」国民の多数は、金正日政権への援助が実際に現地人民を援助しないことを憂慮しているのだと思いますし、北朝鮮人民も、金正日政権による「拉致」事件を口を極めて非難する日本国内の論調に、必ずしも自国を侮辱されたという印象を受けないのではないか、と思うわけです。
 私の言っていることは、何か変でしょうか。