劣化ウラン弾の問題については「終了宣言」をしましたが、この間の投稿への訂正、コメントです。
■さつき(5/25):1)の末尾に文字化け → 劣化ウラン弾の探索にはGM計数管を地表に近接させて用いなければなりません。
■同上:3)「α線やβ線は、放射性物質自身の自己遮蔽効果によってその深部からの放射が遮断されるので、劣化ウラン弾そのものは、粉砕されていない状態ではそれほど危険なものではありません。」について
直感的に上のように書いてしまいましたが、心配なので計算しました。詳細は省略しますが、表面積が24 cm2(一辺が2cmのサイコロ)の238Uの塊(重さ152g)から外部へ飛び出すことのできるβ線の数は、毎秒95,000程度となります。このβ線は、238Uのα崩壊によって生じるトリウム(234Th)と次のプロトアクチニウム(234Pa)からのものです。この次に生じる234Uの半減期が25万年と長く、ここがバリアーとなるので、これ以降の中間娘核種は無視します。2000年頃に各地で放置が問題になったモナザイト(モナズ石)のβ線放出数が、同じサイズの平均的な組成のもので毎秒3,700くらいですから、「それほど危険なものではありません」という表現は不適切でした。上記の文章は撤回します。
■同上:3)の下の方にある「204U」 → 「234U」
■さつき(5/29):3)の中程で、「大歩危さん(2/27)は」 → 「大歩危さん(5/27)は」
■大歩危さん(5/27):「またイラクは日本の何倍もの広さの国土を有する国です。」について
イラクの面積は438,317 km2、日本の面積は377,829 km2 で、イラクは日本の1.16倍です。
■赤根さん(5/29):「ただし、高純度ウランの濃縮残滓である劣化ウラン弾が核兵器生産体系の副産物であることは否定できません。核兵器が全面禁止されれば劣化ウラン弾も自ずからその存在基盤を崩壊させるのではないかと思います。」について
劣化ウラン弾の原料は、原子力発電用の燃料のウラン濃縮工程から出される劣化ウランと説明されています。核兵器の製造工程でも排出されますが、これは主としてプルトニウムサイクルに関係するので、量的には少ないと思います。原発のためにもたらされる膨大な量の劣化ウランは、管理コスト削減の目的もあって砲弾や、戦車の装甲版に転用されたのでしょう。日本では、青森県六ヶ所村の日本原燃(株)濃縮・埋設事業所で原発用ウランが濃縮されています。ここで、日々、多量の劣化ウランが生み出され、現在1万トン以上が屋内に貯蔵・管理されている筈です。