貴殿は、北朝鮮の国際的無法行為を、条件(アメリカとの比較)を付けながら も「子供のいたずら程度のこと」と結んでいる。貴殿の本音が凝縮されているのを垣 間見る思いです。それにしても、「子供のいたずら」云々は軽率ですね。「子供のい たずら程度のこと」で一生を滅茶苦茶にされた拉致被害者の気持ちを慮ることが出来 ないようです。
次に貴殿は「日本は北朝鮮にとってアメリカの尻馬に乗って、いつ攻め込んでくる かもしれない危険な国」と規定されている。これは事実関係を踏まえない貴殿の「思 い」の類です。事実経過を無視して、加害者と被害者をあべこべにしないでもらいた い。主権を侵犯したのは、金正日も認めたように、北朝鮮です。
さらに、「日本国民は、小泉の靖国神社参拝を止めさせることをできないから、日 本が北朝鮮を非難する資格などないことは明白」という旨のことを言われている。こ れは論理立てとしては、支離滅裂です。
貴殿の「御説」をさらに進めると「靖国神社参拝を止めないと、日本は発言権はな い。そのためには、参拝する政権を引きずりおろすしかない。政権交代を果たせなかっ たら(小泉が靖国に行ったら)、北朝鮮の主権侵犯に対して、日本は抗議する資格は ない」こういう珍論になります。政権交代は多くの革新勢力が望んでいるが、それと、 国際的な犯罪行為を糾弾することは別のこと。
何故貴殿は「拉致は、日本国民の人権と安全を脅かした国際的な犯罪行為として許 すことのできないもの」というあたりまえの基本的な認識をもてないのでしょうか?
「基本認識がもてない」ことの背景に「拉致家族より金正日の主張を支持します」 という貴殿の「思い」があるようです。金政権の無法行為は子供のいたづらと擁護す る前提は、まず、無条件的に金正日支持ありきから出発していると断ぜざるを得ない。
「拉致被害者が、北朝鮮であのような厚遇を得ていたのはなぜだと思いますか。な ぜ、そのことには触れないのですか」との質問に答えます。
結論的には、現状では判断材料不足で正確に言及できない。前提として、金政権下 の北朝鮮は極度の情報閉鎖社会で、漏れ伝わるものをつなぎ合わせていくしかない。 一握りの日本人妻の里帰りの裏に、失意の内に果てた膨大な日本人妻の存在があると 言われている。広告塔として徹底活用するが、それ以外は明かさない。従って広告塔 以外は容易につかめない。拉致家族についても、一握りの北朝鮮に都合のいい情報し かリリ-スされていない。残る10名はもとより、数百名については「暗闇」の中で ある。全貌が解明されないうちに「厚遇を得ていた」とはとても断定できない。