先日述べた件等に関して資料等を見直してみた結果について補足します。
1 U238について
U238はα崩壊によるα線を放出という特性の他、半減期が45億年であるため放射線が減衰しないこと、発火性が高いという特性があります。
β線、γ線も放出しますが、その量はα線に比し微量となっています。
2 α線、β線の空中飛程について
α、β線は共に質量、電荷を持っており、空中では周囲をイオン化しながら進むために相当のエネルギーを消費し、やはり飛程は短いと考えられています。
β線は所謂陰極線ですが、U238から高エネルギーβ線が数㍍も飛び、影響を与えるとの根拠は見つけられませんでした。
3 α、β線による外部被曝について
空中飛程の件及び人体への透過力の弱さから、α線については皮膚、β線も1㎝もあれば止まると云うことです。
従ってα線については問題となる様なことはなく、β線についても皮膚を含めた表面だけの被曝が問題と考えられています。
前述したようにU238は、α崩壊によりα線は相当の量を放出しますが、β線は微量です。
そのようなことから、さつきさんが以前に直感的に思うと云われた「U238は粉砕されない(体内被曝しない)かぎり、そう危険なものではない」という説が正しいと思われ、実際にそのような説の補強資料や文献を目にします。
いずれにしても、劣化ウラン弾の外部被曝による人体への影響は無視しうるものとして争点にはなってないようです。
4 体内被曝について
Sekioさんにも申し上げたとおり、劣化ウラン微粒子吸入・摂取の可能性が最大の争点となっていると思われます。
5 広島、長崎との比較
広島市や長崎市程の面積にそれぞれ広島型(U235)長崎型(Pu239)原爆の放射線総量とイラク程の面積に使用された劣化ウラン弾の放射線総量を単位面積当たりで比較することは出来ます。
但し、そのような単純比較はあなた方が感じているように、いかにも劣化ウラン弾の放射線をとるに足りないものとする米国の政府系研究所や文部科学省の見解に近いものになること、しかしながら現実はいろいろな要素があり、実際に調査しなければ明らかになるものではないと思っています。