貴殿は、「言葉尻を捕らえて軽率とは笑止千万」というが、どうみても、軽率という以外ない。比較がおかしいし、単純すぎる。イラクを空爆し、殺戮するアメリカと「北朝鮮の無法行為」を比較し、大人と子供の比較みたいな事を行っている。
結果、これが大事なのだが、「北朝鮮の無法行為=拉致」はたいしたことではないと結論付け、着地点は「拉致家族の気持云々というなら、強制連行された朝鮮人の気持ちこそ慮るべき」要は、これが貴殿の結論なのである。
見方が表面的で、貴殿の主張では問題の解決の方向が見えないのである。
私は日本が過去をキチンと清算し、今後、両国人民が、お互いの民族としての尊厳を守り、自立的な友好関係を築いていくことを人一倍願うものである。「北」の友人もいるし、韓国にも出かけ、韓国の友人と旧朝鮮総督府(現博物館)を歩きながら、意見交換をしたこともある。
そのためにも、今起きている「拉致事件の真相解明」を曖昧にしてはいけないのだ。拉致を曖昧にすることは、日本が「過去の清算」をする際に、曖昧さを継承し、正味は「経済援助」にすり替わる可能性がある。
自民党歴代の「総括なき金銭処理外交」を繰り返してはいけないのである。戦後の日本の外交の本質はどうだったのか?金銭処理外交、位負け外交、土下座外交、主体性無き事なかれ外交、言いなり外交等の形容詞がつく惨憺たるものである。
両国人民の友好の構築の視点に立てば、まず、「拉致事件」を未来に禍根を残さぬよう正しく処置(真相解明、公式謝罪、国家賠償等)することが求められる。同時に、それは、日本が「過去の清算」をしていく際にも、適用されなければならない事である。