この1週間分のさざ波通信の投稿をあらためてよみけしてみました。同時にこ
の一週間におきた世界の動きと国内の動きをあわせて考えていました。多くの投稿が
一般のほうにかたよっていますが、そこにはこうして激変する世界と日本の情勢を反
映するものがあまりにも少なく、ピントずれした右翼の投稿が2.3あり、個人攻撃
が目に余るほどあり、ほんとうに言論を通じてこの世界を何とかしようという意気を
感じさせてくれる者が数人しかいないことを感じさせてくれました。真剣にイラク反
戦を訴える手ポリオさん(近さんと呼ばしてください、手ポリオは障害名で使い難い
のです)の障害者としての迫力ある呼びかけに答えるものすらない、寂しさです。
重大な問題と取るに足りない問題とが転倒しているのでは、さざ波通信の魅力が半
減しかねないようになるでしょう。
今起きていることはイラク情勢ではイラク暫定政府が国連に承認されて、そのこと
がいっそうイラクの独立を無視しアメリカの植民地として固定化させててしまうとい
うことです。
イラク人民の民族解放闘争をいっそう困難にさせているのことはイスラム世界の全
体の問題であり、ムスリムの反帝国主義闘争がイスラム世界全体の国境を越えてさら
に発展するのか固唾を飲んで見守る状況です。
またヨーロッパでは国境を越えたマルクス主義党が結成されようとしています。イ
ンタナショナルが誕生しようとしているのです。
国内的には寄らば大樹の陰さんが言うように、国会で有事法が年金法などと共に一
瞬にして可決し朝鮮侵略戦争への「軍用道路」が完成したのです。
またイラクに派兵された自衛隊をイラク支援という名目をかなぐり捨て多国籍軍と
して米軍の指揮下に入りながら世界第2位の帝国主義軍隊として参加するのです。私
が自衛隊がイギリス軍の指揮下にあるといっていたのですが、それを懸命に否定する
右翼的投稿の反論がありました。情報不足で私はそれ以上は憶測で言わねばならない
のを避け事実が証明する時が来ると考えていたが、人道復興支援という口実も消え去
り多国籍軍として米軍指揮下に入る自衛隊は徹底的にイラク支配を行うための軍隊と
して、正体を現わそうとしているのです。
それではこのように急坂を転がり落ちるように戦争への道を突き進む国家に対して
私達はどんなことをしてもそれを止めならないのであるが、反戦を戦い抜く勢力、味
方の陣営がどのようになっているか、それをどのように強化していくかに真剣に考え、
努力していかねばならないのです。またこのイラク戦争がどのような性質のものであ
り、米日帝国主義がどの方向に向かっていくかを討議しなければならないのです。
戦争に反対する日本人がたくさんいます。そして反戦運動も着実に大きくなろうと
してきました。しかし政党としては社民党が壊滅しかけており日本共産党が転向した
といった中で国会は翼賛国会になっています。そして労働運動に目を向ければ陸海空
20労組や国労のたたかい、動労千葉の戦いがあるが部分的です。
連合が翼賛労働組合になって久しく、全労連も戦わない組合であり全体が日本独占
資本に大きく取りこまれてしまっています。このような中でリストラ首切りが何の抵
抗もなく進められ何百万の失業者が日本中にあふれています。そして不安定雇用労働
者がますます増え続け、企業内労働組合を無力にしつつあります。
未組織の労働者を組織しユニオンショップを廃止し、階級的労働運動がなんとして
も追及されねば戦争を阻止できないのです。市民運動がいくら大きくなっても物質的
力を持たないのです。労動者階級こそは生産そのものを握っている、物理的な力を持っ
ているのです。いまや労働者階級の前衛党がなくなったならば、労働運動の中から新
たに労働者の利益を代表する党が生まれてこなければなりません。根本的に労働者階
級が組織されることこそがこれからの時代に対応するものであり、この視点を抜きに
して何事もなされないのでしょう。そして客観的に見れば今労働者が置かれている状
況は窮地にたたされれているといっても過言ではなく非常にマグマが高まっているの
です。組織しやすい客観的条件があるのです。
さざ波通信の討論で完全に抜け落ちているのは労働者の報告であり、労働者の組織
化に対する情熱です。投稿者自身が労働者であるのに職場の実態を反映する投稿がな
いのです。だから空理空論が多く真空地帯と題しなければならないのです。
戦争を止めさせるのも、社会主義社会を実現するのもすべての未来は労働者階級の
力にかかっているのです。小さな労働者の戦いにも目を向けよう。小さな労働運動に
も注意を払おう。些細な要求をも支持しよう。あちこちに火をつけて回ろう。やがて
小さな火が燃え広がるのです。個人加盟の労働組合のたった一人のパート労働者がス
トライキをしてたった10円の時給値上げを勝ち取ったという報告をその組合大会に
参加して私は聞きました。たった10円の賃上げ闘争の意義をわからないような方な
らば天下国家を論ずる資格もないのです。