劣化ウラン弾についての討論は大変ためになります。私には何の知識もありませんが、戦車の装甲に劣化ウランが使用されている点についてのみ、下記の資料を見つけたので投稿します。
●M1A1戦車
ラインメタル社製の120mm滑腔砲Rh120を原型とする44口径120mm滑腔砲M256を搭載した120mm砲戦車M1A1が1984年から登場した。
M1A1戦車は、主砲の大口径化に伴って弾薬も大型化したため、携行弾数は、M1戦車の55発から40発に減っている。
また、砲塔の装甲防御力も強化され、NBC防護装置も新型のものに変更されている。
さらに1988年からは、劣化ウラン装甲メッシュを複合装甲に導入したM1A1HA(Heavy Armor)戦車に生産ラインが切り替わり、1993年4月までに本型を含むM1A1戦車は、合計4,802両が生産された。
そして、1991年の湾岸戦争地上戦の前に、多くのM1戦車が、主砲の換装と劣化ウラン装甲メッシュの挿入により、現地デポでM1A1HA戦車に改修された。
M1A1HA戦車の複合装甲は、最初に製造されたM1戦車に比べて、2倍の装甲防御力を獲得できたといわれている。
具体的には、例えば敵戦車の徹甲弾がM1A1HA戦車の正面装甲に命中した場合、その装甲防御力は、防弾装甲(均質圧延鋼板)の厚さに換算して600mmに相当するという。
また、HEAT(対戦車榴弾)や対戦車ミサイルなどの成形炸薬弾に対する装甲防御力は、防弾装甲の厚さに換算して1,300mmに相当するという。
http://combat1.hp.infoseek.co.jp/M1.htm
<参考文献>
・「PANZER1999年10月号 M1A2 vs T-80U(M)」 古是三春 著 アルゴノート社
・「世界の戦車(2) 第2次世界大戦後~現代編」 デルタ出版
・「世界の最強陸上兵器 BEST100」 成美堂出版
・「世界の主力戦車カタログ」 三修社
ということなので、戦車装甲に劣化ウランが使われているのは事実であるようです。