この問題については全くのど素人ですので、発言は控えようと思ったのですが、
素人の発言も何かの役に立てばと思い、飛び入りですが述べさせていただきます。詳
しい方にご批判いただければ幸いです。
2.27MeVのβ線の最大飛距離が9m程度ということは事実だと思われますが、大歩
危さんもいわれるように、2-8cmという記述もあちこちに見られます。このことは、
飛距離が確定的な数値ではなく、確率的な数値であることを意味しています。そうで
あれば、その代表値として何を用いるべきかが問題です。
このことに関連して思い出したのは、有義波高の概念です。自然の波はあらゆる成
分を含んでいますが、その成分の確率密度は小さい成分ほど高くなっているので、単
純な平均をとると小さな値となってしまいます。これでは危険を予測するという予測
の役には立ちません。そこで、私の記憶に間違いなければ、大きい方から1/3の平均
をとって有義波高と定義するということだったと思います。その他の平均もあったよ
うに記憶しています。
すなわち、確率的に変動する数値の代表値として何を用いるかは、その数値を使う
目的によって異なりうるものだと考えます。たとえば、β線の飛距離を2-8cmと断定
してしまえば、8cm以上離れていれば被曝の可能性は皆無という結論になってしまい
ます。現実には9m以内であれば、ある確率で被曝の可能性はあるわけですから、β線
の危険性を重く見る立場からは、飛距離の代表値として最大値を用いる考えも成り立
つと思います。
したがって、問題はβ線の危険性をどのように理解するかということではないでしょ
うか?被曝した場合の障害の発生も確率的ですが、先に述べた低レベル放射線の人体
に及ぼす影響に閾値(しきい値)はないとする説が正しければ、たとえ僅かであって
も障害の確率は高まるわけですから、出来る限り不要な被曝は避けるべきです。被曝
量に対する障害の確率分布が分かっていれば、何m以上離れていれば危険率がいくら
という計算もできるのだろうと思いますが、低レベル放射線の影響についてはよく分
かっていないというのが現状のようです。
であるなら、安全上、数mを代表値として用いることもありうるのではないでしょ
うか?飛距離が数cmという記述には、私が見る限りでは、これがどのような代表値で
あるか(単純平均なのか、安全性を考慮した平均なのか)を述べたものはないようで
す。どなたかこの辺りを明らかにしていただければ問題がもっと分かりやすくなると
思うのですが・・・。以上、素人の考えですが、ご笑覧ください。