5月29日付長壁さんの投稿(一般投稿欄)に対し、ロゴス氏から、
『「日本では報道されてませんが、国外では、日本の対北朝鮮政策はせせら笑われているのですよ」とあります。具体例をご教示願います。』
との質問が2度に渡って投稿されているが、この方から具体的な根拠を上げた投稿はありませんね。
この方は、イラク反戦などをテーマにした「戦争論」ならぬ「戦況論」を再三投稿されているようですが、どこまでが「事実」でそれに対するご自身の「主張」が何であるのか区分して記述せず(できない?)ため、議論をかきまわし、ご自分の意にそわなければ「右派」「右翼」と決め付け否定するという混乱に陥っているようです。
こうなると、この方の「反戦という立場?」そのものに疑問を持ちます。
「反戦」ではなく、いうならば「嫌戦」という個人的感情を多方面の掲示板にぶつけて「あ~、書いてやった、すっきりした。」という程度のものと思われてもいたし方ないと思います。
ま、それは個人がどう感じようと自由ですが、公開されている掲示板の議論にはまったくそぐわないことは明らかです。
ロゴス氏の投稿は、ご自身の立ち位置を明確にされ、北朝鮮に対する日本がとるべき政策を歴史的な経緯をふまえて述べられたことは議論
を進める上で、大いに参考になる投稿であったと思います。
こうしたロゴス氏の具体的な疑問に対し、まともに回答をしないという長壁さんの態度は、不誠実だと思います。(共産党員と名乗られているに至って、唖然としました。「反共攻撃」のかっこうの餌食ですね。)
さて、私は、先日、イラクで砲撃を受けて亡くなられたジャーナリスト故橋田信介氏の「イラクの中心でバカとさけぶ」を読みましたが、 宮嶋茂樹氏と勝谷誠彦氏との座談会冒頭で各氏が次のように発言されていることは印象的でした。
爆弾を落とされる側のまっただ中で映像を撮るということ
宮嶋「戦場カメラマンとは何かっていったって、そんな大それたものじゃない。ニッチ産業(すき間産業)ですよ。日本最後の談合体質である大マスコミの方々と、米軍という統制をしたいところとのすき間に咲いたドクダミ(一同笑)、ドクダミでも花は花でかっこよく。」
橋田「宮嶋氏もそうなんだけど、オレも、自分の職業に社会的な意味があるのかなんて、最初からそんなオーバーなことはぜんぜん思ってないの、結果としてそういうことがあれば、それはそれでいいけれども。」
宮嶋「だから、ボランティアで現地までいらっしゃる人たちが、大上段に平和を訴えるのを見ると、うさん臭くて嫌いになるんでしょうね。」
橋田「オレが戦場を初めて撮影したのは、ベトナム戦争だった。それも、米軍側からではなく、爆弾を落とされる側にいたわけですよ。落とす側の映像としては湾岸戦争のものが典型で、多くの人の目をテレビにクギづけにした。だから落とす前の映像は皆さんけっこう見ていると思うんだけど、オレは落とされるほうにいた。今度のイラク戦争でも、自分のすぐそばにドーンと落ちた。落とされる側のまっただ中にいましたね。かっこつければ、そういう意味では命を張って撮ってきたという思いがあります。」
勝谷「橋田さんが日本のジャ-ナリストの中でも特異なのは、ベトナム戦争のときにハノイにいた特派員であるということで、歴史的に非常に貴重な方なんですよ。日本人で爆弾を落とされる側にいたのは、『赤旗』の記者と、大東亜戦争の負け戦のときの記者以降は、橋田さんたちしかいないわけです。」
戦場カメラマンの好奇心、したたかさ、命知らずを感ずるに余りあります。(独得のタッチで橋田氏はイラクでの取材行動を本書に記述しています。「戦場でジャーナリストは詐欺師になる」という氏の記述は、臨場感がありきれい事でこの仕事はできないと感じ入りました。)
その橋田氏がバクダッド陥落前のロイター通信記者の殉職事件現場にいたときのことを記しています。要約すると次のようになります。
しかし、橋田氏はその後もイラク側の腹立ちまぎれの個人的な報復行為だったのではという見解を捨てていない。米軍は、敵側からの取材に対する新しい恫喝と警告にこの事件を利用しているのではと言っています。
戦場において、こうした事故は当然に起こりえると思う。今回の故橋田氏への砲撃の実行行為者が誰であったのか、そう簡単に判明しないだろうと思います。しかし、すべてが米軍という決め付けもできないでしょう。ロイター記者の事件も実行行為者はイラク兵で利用者は米軍などということも戦場ではありえるのでしょう。事実といってもいくらでも出てきそうで、単純ではありません。
ひとつの事件ですら上述のとおりですから、「戦況」によって戦争の是非を単純に議論することなどできないと思います。ましてや死者の数によって戦争の是非を論ずるなどナンセンスです。この戦争そのものに何らの大義もないわけで、だれの命であっても本人はもとより、家族や恋人などにとってかけがえのないものです。
私は、自衛隊のイラク派遣には反対です。多国籍軍派遣を国連が決定した以上、憲法上もイラク特措法上も派遣できない自衛隊は即刻撤退 させるべきです。さらに、国民の年金制度を改悪して高負担強いるくらいならイラク撤退により派遣軍事費を少しでも国内の施策にまわすべきだと思います。
日本がどこまでアメリカの尻についていくのか、「右」も「左」もなく議論し、日本の意思決定をしなければならない時期にいよいよ来ていると思います。