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巷では・・・獲物の争奪戦

2004/06/15 長壁 満子 40代 金融

 うちの猫(メス)が、可愛い子雀をくわえて(もちろん死んでます)、家の中に入 ろうとしたので、びっくりして追い出しました。そのうち、いなくなったとおもった ら、子雀だけ、ころんとドアの横に。
 この猫は、今までもたびたび、鼠の赤ちゃんやらとかげやら捕ってきては、獲物を みせにきます。
 で、しばらく放置していたこの鼠をめぐって、隣近所のオバサン同士がおしゃべり。 私もドアを開け、「もう少ししたら、片付けるからね、でも、かわいそうだよね」と いいながら、話を何気に、進めます。
 「この間はね、木の上にいるカラスを狙っていたんだからね」と、おばさん。
 「カラスだなんて、逆に殺されるよ。生ゴミがなくなって、カラスも必死だから」 と私。
 「この下のKさん、飼っている鶯、ぜんぶ、カラスに食べられたんだって」「どう して、鳴かないんだろうねといっていたら、カラスにもっていかれたとか」とおばさ ん。
 「そうでしょう、みんな、おかしいと思いません。ここでも、生ゴミにネットが掛 けられているけど、今まで、さんざ、生ゴミだしておいて、カラスが定住した暁に、 突然、石原都知事の掃討作戦ですよ。カラスだって、生きるのに必死だから。なんだっ て、たべなきゃいきられないとなると、そのうち、人間だって襲われかねないかも」 と私。
 「公園でね、Bさんが、袋をほうりなげたら、カラスがサーっとくわえていったと いうわよ」とオバサン。
 「ねえ、そうでしょう。おかしくな~~い。カラス対策といったって、すべて、根 絶するわけには行かないのだから。いったい、カラスが何したのかしらね」
 「それに、今、戦時下だからね。有事法案、成立したんでしたっけ。徴兵制も盛り 込んだ今回のそれは、本格的だからね。私の友人は国会に駆けつけるといっていたけ ど、私はいけなくて・・・」
 ここまでくると、頷きも曖昧になってきます。
 60代からや50代の主婦や店を切り盛りしている女性なのですが、こうした平和 な日常風景がときおり、見られます。否、みるために、勇気をふりしぼって、喋り場 に加わります。
 戦争は、粛々と進攻していきますね。
 ちなみに、このオバハン(うんと軽蔑の意味こめて)たちは、孫も子もいます。