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左翼とイデオロギー

2004/06/06 百家繚乱 50代 事務員

 元々、左翼という概念はフランス革命で、議会の左側にいた人々を表現した。
 当時の「進歩派」は、もちろん、社会主義などとは無縁である。
 「保守派」は右翼といわれた。
 ソ連解体後のロシアでは、自由化を目指す側が左翼といわれ、旧共産党の側は右翼 といわれている。
 アメリカでも、社会進歩を目指す側は左翼といわれ、旧体制を守ろうとする側は右 翼といわれる。
 だから、一般的に、「左翼」と言う概念とイデオロギーは、同じではない。
 この概念は、それぞれの社会での、政治力学上の相対的な概念であって、特定のイ デオロギーを表現しているのではない。

 進歩派というと、正義に見えるが、必ずしもそうではない。
 フランス革命は、素晴らしい革命であったのは事実だが、恐怖政治も導いた。
 ナポレオンはフランス革命の落とし子だが、自ら皇帝となって、ヨーロッパ中を戦 乱に導いた。
 左翼も、行き過ぎると、ろくな事をしない。
 右翼を根絶やしにしたと、勝手に信じたスターリン体制は、大変な右翼(保守)体 制であった。
 左翼は体制を変えようとする。
 右翼は体制を守ろうとする。
 体制(体勢)は、変えればいいというものじゃない。
 良いものまで、変えて悪くすることだってある。
 だから、どんな社会でも、右翼と左翼はそれぞれの存在意義を持って、存在してい る。
 どんな鳥でも、片方の翼だけでは飛べない。
 どんな人間でも、一本足で歩くことはできない。
 どんな社会でも、右翼と左翼は、均衡を持って存在していなければ、国民から遊離 する。

 EC諸国やアメリカでは、大抵、次の選挙では与党が不利になる。
 権力は、このようにして、下方に移動する。
 「右翼」は、国家権力を縮小して、自由化をアピールする。
 「左翼」は、国家権力の維持と国民保護を訴える。
 我々は、本当のところ、どちらが社会主義的なのか分からない世界で生きている。  ただ、これだは断言したい。
 社会主義とは、国際主義であり、国境を越えた、「自由と平等・民主主義」を目標 としている。
 そして、政権交代こそが、権力を下方に移動し、民主化を促進する。