ご返事、有難うございました。所感を述べ、あらためて回答を求めます。(長 文になりますので、上下に分けて投稿します)
1 あなたは何か勘違いなさっているのではないでしょうか。
私はあなたの「言説に異議がある」と言っているのではありません。5月28日付
「阿修羅」掲載貴投稿に「日本では報道されてませんが、国外では、日本の対北朝鮮
政策はせせら笑われているのですよ。ご存じないのですか」と、日本の対朝鮮政策に
関する嘲笑的批判が、諸外国に広範に存在するという社会事象を断定的に提示されて
いたので、その根拠を明示して下さるようお願いしただけなのです。私はなにも長年
にわたる自民党の対朝鮮政策や、現在の小泉・神崎連立政権の北朝鮮政策に賛成した
り支持したりする見地に立っているわけではありません。
いやしくも一定の社会事象の存在を断言するからには、その裏付けとして公知の根
拠または一定程度以上に明確な具体的論拠をもっている必要があるということは、多
分初歩的常識に属することでしょう。
その意味で、多少厳密な質問のしかたでご教示をお願いしたわけ です。従って、
「ならば、その前に『日本の北朝鮮政策が評価され ている』という具体例を教示願
います」というあなたの反問は、的はずれも甚だしいものといわなければなりません。
2 もっとも、あなたがそのように勘違いなさったことについての責任の一端は私に
あります。つまり、北朝鮮政策に関する私の考え方を多少なりとも述べた上での質問
であったら、あなたにこんなにひどい勘違いをさせなくてすんだかも知れません。こ
の点については率直にお詫びしたいと思います。
しかし、恐らくこのこともあなたの勘違いを正当化することにはならないでしょう。
なぜなら、他人に対して「ご存じないのですか」とまで断言されることがらについて、
恥ずかしいことですが私自身が全く無知であり、そのことについて教えて下さい、と
お願いしたのであって、私の質問はあくまで事実の明示を求めているに過ぎず、質問
者が無知な者であろうと、あるいはあなたの論旨に正反対の意見の持ち主であろうと、
論拠を摘示することには全く影響しないはずだからです。
3 但し、無用な混乱を避け、意見交換を生産的なものにするために、(そして
あなたに対するお詫びの気持ちをこめて)日本国がとるべき対朝鮮政策に関する私の
考え方の基本を簡単に述べておきましょう。
(あなたは、「拉致という枠組みののみの中で、ああだこうだと」いう言い方を「い
つまでもくりかえ」していると述べておられます が、私の質問のどこにそんな箇所
がありますか?)
(1)朝鮮民主主義人民共和国の国家機関が関与して、日本市民を拉致し長年にわた
り留置したことは、明白な国家犯罪であり、その全容の解明、朝鮮に残された被害者
と家族の帰国の実現、被害者への謝罪と補償、責任者の厳正な処罰を求める。
(2)19世紀末以来、天皇制政府のもとで朝鮮人民に対して犯した日本の帝国主義
的侵略について明確に謝罪し、南北両朝鮮政府と協議して日本国政府による国家賠償
など適切な補償措置を講ずる。
(3)朝鮮民主主義人民共和国との間で国交正常化交渉を直ちに開始し、日本国憲法
前文と第9条の規定を根底に据えた日朝関係の確立をめざす。
(4)在日朝鮮・韓国人に対するいっさいの偏見と差別を一掃するために必要な措置
を講じ、多文化・多民族共生社会の実現をめざす。
(5)日朝韓三国研究者の協力により、19世紀以来、日本と朝鮮の間に生起した諸
問題についての共同研究を進める。そしてその成果を将来を担う若い世代の教育に生
かす。とくに日本での歴史教科書の改善に取り組む。