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善良な論文

2004/07/02 天邪鬼 60代以上 画家

 少し古くなった感がありますが原さんの12月24日の文章をまた読みました。 というのはまたも参議院選挙の投票があるからです。「棄権の権利」を書いてしから れたからでもあるしそうかといって「入れたい人がない」ので原さんの12月24日 のぬんしょうを読めば考え直せるかと思ったからです。編集部も原さんの別の論文を 推薦論文としているので勉強するつもりで読みました。
 率直にいって「違うよ」って感じました。その論というカッコ内では正しいのです がかっこをはずせば違うのです。それというのは共産党が健全な革命党であるという カッコつきの論文ですから。括弧の外にマイナスがついているのではないですか。
 共産党員ならば党がすべての選挙区で候補者を立てて全員落選したことが馬鹿げた ことであると考えるのは当然でしょう。だが指導部にすれば、すべての小選挙区で何 人か当選すればもうけもの。落選してもいいと考えていたのでしょう。全国の共産党 員を常に動かし遊ばさないことのほうが大事だと考えるでしょう。絶えず活性剤を与 えなければ組織は死にます。原さんの期待や失望など関係がないのです。
 レーニンの「左翼小児病」からの引用があります。要するに、候補者を絞ってそこ では確実に革命党の当選を勝ち取り一方変革への政治の流れにあわせて労働党員(日 本に当てはめれば民主党)に投票することをすすめる。それが革命の大業を促進させ る必要な選択であるという意味でしょう。
 ところで今の政治状況と違うのはたとえ国民が自民党の支配から変革を求めて民主 党に期待しようとも自民党よりも反動的か、または同じ程度の反動しか出てこない金 太郎飴です。反動から反動へそして元の反動へとシーソーゲームをさせるにしか過ぎ ないが、それに組することは議会制度が資本主義体制の安全弁にしかならせなくする という意義があります。繰り返されるはんどうせいけんは大変な時代を呼び込むでしょ う。
 そのために協力する必要はまったくないでしょう。この政権移行によって日本のブ ルジョア支配のたがをぐらつかせることができるならば民主党の政権樹立を助ける必 要があるが、自民党支配が民主党支配に変わったところでブルジョア支配がまったく 揺るがなければ、決して社会主義への道を前進したとは言えません。またレーニンの いわんとしていることはあくまで社会主義革命にとって有利か不利かという観点が基 礎にあり、ボリシェヴィキが確固とした革命党である事が前提にされています。
 だが翻って日本共産党を見るならば明らかに革命を放棄し体制内政党として生き残 ることのみに腐心している党です。だから天皇制を認め、安保凍結、自衛隊容認、有 事法制率でも戦わなかったように、改憲には抵抗する姿だけ見せて全党を挙げて戦わ ない、どんな妥協でもしてこれから迎える戦時体制の中で生き残ることしか考えてい ません。
 根っこの腐ったところを取り除かないで上からいくら水をまいてやっても無駄であ るとぼくは考えています。原さんのご意見は共産党が革命を目指す党としての存在価 値があるかどうかという大前提に目をつぶっているから無意味であるとぼくは考えま す。原さんは多くの党員達のように善良すぎるのでしょう。排外主義に転落した党に 何を期するのでしょう。