天邪鬼氏や有島氏の意見を読んで正義の味方氏に加勢しようと思います。(正 義の味方氏、良いですか?)
ここさざ波は面白いサイトで、同じ革新というの土俵の中で、保守派的な方たちと 改革派的な方達が論争を繰り広げていると思います。
党員投稿欄で高橋氏が言っていた、「オールド コミュニスト」的保守派の方々 が北朝鮮をある種、擁護しているのに対し、正義の味方氏のような改革派の方々がご く当たり前なことを言っている。当たり前と言う言い方をしたのは、現国民の意志は 北朝鮮の拉致事件を筆頭に繰り広げられている様々な犯罪的行為(麻薬製造、密売な ど多数の)に対して、リアルタイムの今、目の前でおこっている問題として受け止め ながら、金体制=北朝鮮政府主導の国際的国家犯罪として認識していることです。決 して過去の話とは思っていません。また、北朝鮮国内における軍事独裁的国家運営が メディアを通して暴露されてきている現状に対し、金体制は容認できないと言う感性 を持ってこの国を見ていると言うことです。もちろん過去における日本の朝鮮国(当 時)に対する侵略行為は許されるものではなく、謝罪、賠償も含めた解決を正義の味 方氏は否定していない。これらのことは正義の味方氏も散々言っています。(極めて 当たり前です)
ただ、こうした、北朝鮮に対する現国民感情がなぜさざ波の中の保守派の方々 と距離があるのかということは考えなくてはならないと思います。それは保守派の方々 の中にある、今日までの共産党の人権感覚の薄さ(旧社会主義政権に対する認識と免 罪)と、社会主義対資本主義という非常に単純な世界観に寄るものではないかと思う んですね。
ソビエトがまだ国としてあった時、共産党員の方々はソビエトを擁護する立場
にありましたよね。対アメリカ帝国主義としてソビエト政権と周辺社会主義国を支持
した訳ですが、これらの国々の中で行われてきた人権弾圧は黙殺してきた訳です。ア
メリカ帝国主義こそが『悪の枢軸国』であって、それに対してなにはともあれ、いろ
いろ問題はあるにしてもソビエト政権を守ることが第一義であり、ソビエト人民の主
権や人権は社会主義の発展段階において、時がたてば解決できる、というように。
(中国に対しても同じですよね。チベット問題なんか未だにありますし、人権の抑止
も)
ところがベルリンの壁崩壊以後、ソビエト政権をはじめとするその実体が明らかに
なればなる程、これらの国が自国の国民にもたらした人権弾圧、経済政策の失敗など
が、ある種おぞましさも伴って日本や資本主義国の国民の中に浸透していったのでは
ないでしょうか。(チャウシェスクの一件は良い例でした)そのおぞましさを決定づ
けたのが、金体制による拉致事件の一端が明るみに出た以降、明らかにされる凄まじ
い人権弾圧の真実だと思います。その実体を見せつけられた時、日本国内での金体制
へのおぞましさは想像を絶するものだったに違いないと思うんですね。
時をほぼ同じく起きたアメリカのイラクへの侵略行為が受け入れられないのと同様
に金体制も受けいれられないと言うのが、国民の意識の中に同時に共棲しているのが
実体だと思います。
ところがさざ波の「オールド コミュニスト」的保守派の方々は、あくまでも諸悪 の根源は『アメリカ帝国主義』とそれに追随する日本やイギリスなどの資本主義諸国 であり、特に日本は北朝鮮に対する過去への謝罪と清算をしないかぎり北朝鮮の国際 的国家犯罪に対して何も言うことはできないと言う論法になってしまいます。(金体 制がどんなに自国の民衆の人権を弾圧し、経済政策の失敗により自国の民衆が悲惨な 状況に置かれようと)ここには「誰が一番悪いか」、世界的な様々な問題の根源をも たらしているのは『誰か』という「格付け」によって、『アメリカ帝国主義』が最も 最悪な『悪の枢軸国』であるから、金体制のもたらした様々な国家的国際犯罪は『子 供のいたずら』程度でしかない、という世界観があらわれます。つまりは、「オール ド コミュニスト」的保守派の方々は社会主義対資本主義という単純な世界観の中で しか現代を見ていないような気がします。
ほとんどの国民は、金体制による国家的国際犯罪とアメリカのイラク侵略を同列に 認識しているのに対し、「オールド コミュニスト」的保守派の方々はアメリカの方 が「より悪い」という位置付けをするわけですね。
正義の味方氏の言っておられる「単純すぎる」というのはこういうことなんだと思 います。
で、なぜこんな認識が起きるのかと言うことなんですが、「オールド コミュ ニスト」的保守派の方々は、御自分達こそが最も左翼らしい左翼であるという認識を お持ちで、ご自分の世界観から逸脱している世界観からの論法を『右翼』と簡単に言っ てしまってるわけですね。
しかし本当にそうでしょうか?左翼(革新)という座標の中で、「オールド コミュ
ニスト」的保守派の方々、正義の味方氏のような改革的方々はそれぞれどこに位置す
るか考えると、実体は「オールド コミュニスト」的保守派の方々は、左翼(革新)
という座標の中で最も右翼の「保守本流」(100年前の原理主義的な)に位置し、正
義の味方氏のような改革的方々は最も左翼に位置しています。
なぜならば、現代の複雑な社会情勢、国際情勢の中で、マルクスが生きていた時代
には予測もできなかったような事態が次々とおこり、そうした事態に対抗する新しい
解決策(戦略として)を左翼も持たなければならない時代に突入しているからですね。
社会主義の学説をも飲み込み、全く新しい、向こう100年間はもたせられる普遍的
なテーマによる解決策を提示することが求められているからです。「オールド コミュ
ニスト」的保守派の方々は未だにそのための戦略を100年前の二元的な世界観から求
めようとしています。これでは解決はできないでしょう。(拉致問題一つ取っても国
民の意志とずれている訳ですから。)
私は正義の味方氏の様々な投稿を見てみましたが、そこには、今までの共産党が目
指している社会主義の学説をも飲み込んだ、新しいテーゼの(テーゼ、古い言い方だ
なあ)の構築の必要性を説いているように思います。(正義の味方氏だけでなく、
「オールド コミュニスト」的保守派の方々によって「右翼」とレッテル張りされて
いる方々に共通しているのですが)
様々な構築の方向性があるでしょうが、
例えば、現代の世界経済のグローバリゼーションに対抗する、社会主義という概念
からでない戦略の支柱を置くとしたら、、、私は『人類が生き残るための国際的経済
戦略』ということを考えます。こうした提案や議論ができれば良いですね。
「オールド コミュニスト」的保守派の方々は単純な世界観の中からしか様々の諸
問題を見ていないし、それに対する提案もできないと思います。その際たるものが有
島氏と正義の味方氏の拉致問題に関する論議ですね。有島氏が『世論と真っ向対峙し
ても正論を貫いて惨敗したのであれば、私は迷わずその人達と運命を共にします』
(仮に有島さんの主張を共産党が政策として打ち出したとしたら、議席は0ですね。)
とおっしゃっていますが、それは現代に対する有効な戦略を持てない、創造できない
ということの裏返しにしか過ぎないと思います。
「オールド コミュニスト」的保守派の方々は、ご自分の世界観から逸脱している
世界観をお持ちの方々に対してどうか『右翼』なんていう狭い見方をしないでいただ
きたい。散々今までやってきた結果が、左翼の分裂と様々な運動の衰退でしたから。
その結果が今日の状況をもたらしていることにそろそろ気が付いた方が良いですよ。
左翼(革新)の座標の中にご自分はどこにいるか、そこを認識して議論しましょう。
噛み合わないかも知れませんが。