正義の味方さんが、論争を終結したいようなので、約束に従って、追い討ちを 掛けるのはやめましょう。
私の主張を整理します。
①「拉致家族より金正日の主張を支持します」
言うまでもなく、拉致に関する両者の主張に関するコメントである。「無条件的に
金正日支持ありき」と言う主張は一度もしていない。
②金正日は平壌宣言の中で、「国交正常化交渉においても」、「国交正常化の実現に
至る過程においても」両国間に存在する諸問題に誠意を持って取り組むと表明した。
諸問題には「過去の清算」も「核」も「拉致」も当然含まれるものだ。
その後、北朝鮮側が「拉致」は解決済みという態度をとっているが、その他の問題を
も含めた交渉の中でこそ、それを取り上げさせるべきだし、北朝鮮側も取り上げざる
を得ないのである。
③拉致家族は、「国交回復交渉よりも拉致問題の解決を優先すべきだ」とし、事実上
国交回復交渉をストップさせた。
「拉致問題の解決なしに国交回復なし」と言うのとはまるで違う。交渉自体に反対し
たのである。
④「拉致は日朝間の不正常な関係にある中で生じた」と言う認識に対し、拉致家族は
「北朝鮮が特殊な軍事独裁国家であるために起こった」と主張する。
これは違う。確かに独裁国家でなければ起こらなかったかもしれないが、独裁国家は
世界中にいくらもある。両国間に問題がなければ拉致などは起きないのである。
⑤過去の清算は、日朝間の問題であると同時に、日本人自身の問題である。規模から
言っても、時系列からいっても、因果関係から言っても、日本人が清算しなければな
らない過去の重さは、拉致とは比較にならない。拉致家族の心情を無視するつもりは
ないが、現に起きている在日朝鮮人に対する嫌がらせ、連行され犠牲になった多くの
人々に対する償いをどうするのか、われわれの良心が問われているのである。
⑥国民感情や世論は大事です。無視するつもりはありません。
しかし、その時代の世論というものは、積極的に支持するか消極的に服従するかの違
いはあれ、結局その時代の支配者の意思を反映するものです。
必要なことは、信念を曲げて正義を捨て世論に迎合するのではなく、逆風に抗し孤独
に耐えても自説を貫き、世論を味方にするまでがんばることです。社会主義革命に限
らず、社会を変革すると言うことはそういうことだと思っています。