先月26日に共産党に対して6つ質問をしたのですが共産党中央委員会より回答がきましたので紹介いたします。7月11日の選挙の判断材料にしていただければ幸いです。尚、Q(私の質問)、A(共産党の回答)、コメント(共産党の回答に対する鎌倉太郎の所感)、の順番ですのでご了承下さい。
1.年金政策に対する質問
(Q1)大企業に応分の負担をさせるとの事ですが具体的にどのくらい負担してもらうのでしょうか?
(A1)税金の集め方はどうでしょうか?この十数年間に、自民党が「税制改革」の名のもとにおこなった最大のものは、消費税の導入と増税です。その一方で、大企業の払う税金は、法人税をはじめ、どんどん引き下げられました。
その結果、日本は、大企業の税と社会保障の負担率が、ヨーロッパ諸国に比べてもともと低いうえに、日本だけがさらに下がるといった特別な国になっています。
企業の税と社会保障の負担率(国民所得比)は、1990年~2000年度の10年間をみると、イギリス15.3→16.0%、ドイツ15.7→17.7%、フランス23.0→23.6%と上昇しているのに、日本は逆に14.2→12.3%へと2ポイント、約7.5兆円も減っています。
日本共産党は、税金や社会保険料などの負担は、「所得が多いものは多く、少ないものは少なく」という経済民主主義の原則をつらぬき、日本の大企業にヨーロッパなみの応分の負担をもとめます。この間に引き下げられた法人税率や所得税・住民税の最高税率を見直すとともに、土地や株式譲渡益など資産課税の適正化をすすめるなどの歳入の見直しで、国、地方あわせて約8兆円の財源を計画的に確保します。
(コメント)もう少し具体的な回答がほしかったですね。「ヨーロッパのどの国をモデルにするのか?」「法人税や所得税などの最高税率の数値」が無いので判断が難しいので。あと素朴な疑問として「日本共産党」が何故「ヨーロッパの資本主義」をモデルにしたがるのか?ここらへんの説明もほしいところでした。
(Q2)貴党の年金政策をそのまま取り入れると「トヨタ」のような「超優良企業」は別にして「大多数の大企業」は「賃金の安い中国あたりに工場を移してしまって」日本国内の「地方経済」をますます逼迫させてしまうのではないでしょうか?年金政策とセットで「雇用政策」もうちださないと私のような危惧を持つ人間の得心は得られないのではないでしょうか?
(A2)国際競争力の代表的な考え方は、「一国が国際市場の試練に供する財とサービスをどの程度生産でき、同時にその国民の実質収入をどの程度維持または増大できるか」(アメリカの「ヤング報告」)です。したがって、「賃金の安い」外国への無秩序な工場移転は、ご指摘のように「地方経済」に打撃を与え、日本経済の国際競争力を損なう結果となります。企業の海外移転についても、ヨーロッパ並みのルールづくりが必要です。
(コメント)これも「ヨーロッパのどの国」の「どのようなルールづくりが必要なのか?」具体案が無いため判断が難しいです。ただ私の質問の真意は理解してくれたようです。
(Q3)貴党の年金政策でもうひとつ大きな問題として考えられるのは「日経平均株価の暴落」があげられると私は思います。大企業が今以上に年金負担すれば当然企業の利益は下がりますから株主の売り圧力が増すのは確実でしょう。年金政策とセットで「金融政策」もうちださないとやはり貴党の年金政策は大多数に受け入れられないのではないでしょうか?
(A3)国際水準並みの負担をしたことで「利益は下がる」なら、社会保障費負担に原因があるのではなく、企業活動そのものに問題があるということではないでしょうか。
「国際競争」をいうなら、各国と共通の土台のうえで競争し、勝ち抜くだけの製品開発力、企画力、製造技術などをつちかうよう、企業自身の努力が求められるのは当然だと思います。そういう努力をなおざりにして、社会保障費を国際水準以下にすることで利益をあげようなどという姑息な考えは、企業活動の健全な発達にとってもマイナスです。
かつて日本の自動車産業は、きびしい排ガス規制にいち早く対応することによって、国際的な競争力をかちとりました。私たちは、日本企業の底力を信頼しています。
(コメント)この回答は正直驚きました。まるで「小泉首相」からの回答かと錯覚したためです。共産党が「トヨタ」を筆頭とする自動車産業を礼賛するとは想像できませんでしたね。結局「株価対策」は何も考えていないようです。
2.北朝鮮拉致問題に対する質問
(Q1)今現在、貴党が「拉致被害者家族会」と「何のコンタクト」を取らないのはいかなる理由によるものですか?彼らから意見や要望を聞かなければ「真の解決」は図れないのではないですか?
(A1)私たちは「何のコンタクトを取らない」ことにはしていませんので、「理由」をお尋ねなられてもお答えしようがありません。
(コメント)回答の意味がいまひとつわからないため(1)共産党は過去に拉致被害者の方から拉致問題の解決の依頼はありましたか?(2)共産党の北朝鮮拉致問題に対する政策の内容は横田夫妻をはじめとする「家族会」から支持されていると思いますか?
と質問内容を具体的なものに変更して7月9日現在回答待ちです。やはり「及び腰」の感が否めません。残念です。
(Q2)貴党の「過去の実績」はもう結構ですので「これから貴党は北朝鮮拉致被害問題解決」のために「具体的に何をするつもりなのか」お答え願いたい。「小泉首相の政策にあいづちを打ち続けるだけ」なのですか?拉致被害者家族は決して小泉首相のやり方を「100パーセント支持していない」と私は思うのですが・・・
(A2)参院選政策の「(6)北東アジアに平和と安定の国際関係をきずくために、何をするか」をご紹介します。
(コメント)抽象的で今ひとつわかりにくいです。やはり「イラク問題」と比べると明らかにトーンが弱いです・・・
(Q3)もし北朝鮮政府が拉致問題(や核問題)で明らかに不誠実な態度(6カ国協議を一方的に無視したり拒否するなど)を示しても「経済制裁」に反対されるのでしょうか?みすみす拉致被害者が寿命で亡くなったり、核実験されても(現に6カ国協議で北朝鮮代表が言及している)黙って「粘り強く対話」の一点張りで貴党はすませるつもりなのでしょうか?
(A3)経済制裁は、情勢の進展におうじてとるべき対抗手段の一つだと考えています。
(コメント)このコメントは注目に値します。場合によっては共産党が経済制裁に賛成の立場に変わる可能性がある点と、共産党は経済制裁は憲法違反ではないことを認識している点の2点に対して。
以上です。さざ波通信の皆様の参考になれば幸いです。