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一般投稿欄

イデオロギーと階級意識 そして歴史意識

2004/07/13 小川賢太郎 40代 自営業

 いまほど、「戦後民主主義」を問い直さなければならない時期はないと思いま す。選挙での得票率は40%台。当選者は有権者の1割程度、100人に対し10人 ほどの指示しか受けていないものが、国政、国会運営に携わっている。このことこそ、 「民主主義」の危機といわねばなりません。
 事実上の「独裁政治」が、国民不在ですすんでいる、しかし、投票を棄権するもの は、衆愚でありながら、棄権という形で、政治批判を展開しているとも考えられます。 逆に考えると、現政権は支持率10%、棄権率60%+野党票20%で、80%が現 政権不支持と考えられます。
 こうした状況は、50年体制のもとでの「保革」対決が終焉し、国民自身が「価値 選択」ができなくなった状況に直結しています。
 その原因の一つは、共産党(共産主義)的価値観の歴史的退潮にあります。旧ソ連 を軸とする共産圏の消滅と中国の「資本主義化」、あきらかに旧来の「共産主義」の 物語が効力を失ったことを意味します。
 それは、指導部の力量不足に100%還元できる問題でもありません。また「組織 形態」「組織運営」の問題に100%還元できるものでもありません。現代に流通す る「社会主義、共産主義」イデオロギー(物語)の賞味期限が切れたと考えることが 妥当と思われます。そしてそれは階級意識の霧散にもつながっていきます。
 しかしながら、対抗軸を欠いたアメリカ資本主義が、政治、経済、軍事にわたるグ ローバリズムを推し進め、日本においても「勝組/負組」イデオロギーが流布し、弱 肉強食社会の進展により、金持ち/貧乏人に明確な差が出つつあることも確かです。 単純な話、「夢と希望」がなく、「弱いものいじめ」がされている社会が眼前に横た わるにもかかわらず、どうしてよいかわからないってよいものと思われます。
 なぜ国民の支持(票)は、二大政党にしかむかわないのでしょうか。
 ながながと語ってしまいましたが、私なりに次の点を考えたいと思っております。
イデオロギー的側面から

  1. 有権者がなぜ、投票行動をしないのか。投票を棄権する有権者の本音(これこそ が鍵になる)
  2. 二大政党制イデオロギーはマスコミ、メディアによって流布され、完成されつつ あるが、これは、自由と民主主義のためにはたしてプラスか?こうした二大政党制が もたらしたマイナス情報、歴史的研究、簡単にいえば、民意の反映から、「国民」に とってよいシステムなのかどうか。イデオロギー暴露。
  3. 中選挙区制から小選挙区制へと、2大政党制への布石となった選挙システムにどっ ぷりつかり、民意が反映されないため(自分の入れた人が当選しない)、棄権者が増 えた。
  4. 財界、政界の宣伝メディアと化したマスコミ対策。

階級意識形成の側面から

  1. 「共産主義」という「大きな物語」の終焉にともない、労働者は、「プロ野球労 働者」のように、各現場では、戦いを続けなければなりません。しかしながら、労働 者であるという自覚がない勤労者を「大きな物語」不在のもとで、いかに「階級意識」 を形成するか?
  2. 価値実現力を失効した「共産主義」に対する新しい「コミュニズム」(ユート ピア思想)の創造は可能か。
  3. 「中で何をしているのかわからない」「異口同音で怖い」「自分達への批判には 過敏に反応する」などの市民のマイナスイメージを、民主党のような「開かれた」組 織形態を参考にしつつ、いかに「人に好かれる組織」にしていくのか?「選挙で負け たのに方針、路線に間違いない」というのは明らかに詭弁です。この権威主義は、現 代では、全く通用しません。
  4. そして、憲法改悪反対、護憲には賛成ですが、「よりよい方向での改正」に対す る提案をしていく。世界平和にどのように憲法をいかし、条文を改正するのであれば、 このように改正するといった対案の設置。具体的でなくては、国民にとどきません。

以上の視点から、この党が、自民党と同じように賞味切れをおこす瀕死状態から脱皮 するために、まとまりなく、思いつくままにしゃべってみました。