私が“「共産党の改良主義的変質と今後の展望」(S・T編集部員)を批判す る”を投稿して以降、尾張はじめ氏、および人文学徒氏から「S・T編集部員の意見を 支持する」との意見が出されたものの、その後S・T編集部員からも意見はなく、本問 題に関する議論は終息した感がある。本問題は各人の今後の行動に関わる重大な問題 だけに、もっと議論があってしかるべきと思いつつ、2氏からの私への反論があった ままとなっているので、一言付言しておきたい。
さざ波通信は、自らの立場を党に対する「左からの批判者」と自認し、創設以来党
の右傾化に警鐘を鳴らし続け、「さざ波通信第33号」では「党の革命的・戦闘的伝統
と手を切ることを目的とした今回の綱領改定案に対する、厳しい批判と抵抗の声を上
げるべき」と書き、革命的・戦闘的伝統を投げ捨てた党執行部を徹底的に批判してき
た。ところが、綱領改定で「党の革命的再生は不可能」(S・T編集部員)と言わざる
を得ない状況となり、自らの今後の活動が問われる段になると、党の革命的・戦闘的
伝統を守るというかつての立場から、「われわれが展望している新しい左派政党は、
決して純粋に革命的な政党である必要はない、・・・まともな党内民主主義を保持し
た左翼中間政党で十分」という立場にまで転落した。さざ波通信が目指してきた左か
らの批判者としての役割を自ら放棄するものだ。
このS・T編集部員が述べた今後の方針の性格は、それを支持する人の意見によく表
われている。即ち、資本家が増加し貧富の格差が拡大する今や資本主義国家の仲間入
りとも言うべき中国や、いびつな官僚主義に支えられた独裁国家である北朝鮮の現状
を見て、「(マルクス・レーニン主義の)社会主義思想が敗北した」と言う人が支持
し、また、これまでさざ波通信が党の右傾化を批判して来ていながら、「党に対して
は右からの批判という立場」の人から支持されているのである。S・T編集部員の右翼
的潮流への屈服はこうした点からも見ることが出来る。