……党を、よろしくお願いしまーす!!
お願いしまーす!!
チっ…。ったく…。
何時だと思ってるんだ…。まだ、朝の8時になったばっかりじゃねぇーか!
コチとら、夜勤で、6時にベッドに潜り込んだばっかりなんだぞ…!
いくら選挙だからって、毎日、8時の5時で帰れるようなお方ばかりじゃないってことぐらい、議員さんになろうって御仁なら、分かりそうなもんだがな…。
ほんとに、庶民の暮らしを守ろうって思ってんだったら、「安眠妨害」はやめて欲しいもんだぜ。せっかく、静かな公園の近くに越して来たと思ったら、これだからな…。
そう言や、選挙前にも、何度かあったな…。
何ツったっけ、あれ…。
シュプレ…。ええと、そうそう。シュプレヒコールってか…。
中島みゆきの唄に、確か、あったよなぁ。
あの唄は、ナカナカいいって、俺なんかも思ってんだけど、参加者が少ないからかどうかは、知ったこっちゃないが、実際、毎度、馬鹿でかいスピーカーで、がなり立てられていると、そんな感傷も、なくなって来てしまうんですよ。ホント…。
***
「イラク戦争反対!」って言ったって、小泉さんは、ブッシュの「テロとの戦い」を支持した訳だし、去年の総選挙じゃ、自衛隊を出すことも分かってて、国民は多数の支持を与えたんだろ…?!
共産党のビラを配って、逮捕されたって人がいたなんて言ってるけど、聞けば、公務員だっツーじゃねーか。公務員は、「全体の奉仕者」なんだし、「政治的中立性」が求められるのは、当たり前だよな。それこそ、裁判で違法行為って判決が出てるんじゃなかったっけ…?
郵便受けに「反戦」のビラを入れただけでも、逮捕された人もいるみたいだけど、住居侵入の疑いで、裁判中なんだろ?
「普通」の俺みたいな人間に、そんなン、どっちが正しいなんて判る訳ないジャン。
***
コないだ、新聞見てたら、反戦の訴えをしていた人が、「指名手配」と書かれた嫌がらせの「張り紙」を、あちこちの電柱に貼られてたんで、驚いて、警察に届けたら、半年もたって、奥さんが、「米国大使館から出てきた人の顔の前で、ハンドマイクで怒鳴りつけた」っていう「暴行容疑」ってカドで、逆に、家宅捜索されたって、載ってたなぁ…。
ハンドマイクの声がでかいから、って、今の俺には、分かるような気がしないでもないが…。
もちろん、彼らには「全く身に覚えはなかった」と、記事には書いてあったんだけどさ…。
「ここにはありません」という言葉を無視して、ハンドマイクを「証拠品」として押収するため、下着の棚まで、探したらしいけど、結局、見つからず、帰り際の、刑事さんの言葉は、「とことんやってやるからな」 だったそうだ。
まあ、“令状”も取ってあるんだから、裁判所の「お墨付き」ってことなんだろう。
***
令状って言えば、チョット前、「盗聴法に反対!」なんてことも、盛んに言ってたような気がするが、最近は、マスコミでも、トンと聞かなくなったなぁ…。
確か、公明党代表代行の浜四津って偉い弁護士さんが、
> 盗聴捜査が、通信の自由という憲法上の人権を侵害する可能性が大きいというだけでなく、盗聴という手段には歯止めが効かない。国家権力の都合で、政治的に利用されてしまう危険性が大きいという歴史的教訓があります。
って言ってた時は、さすが、弁護士さんっていうのは、人権を守ることの大切さが、よーく分かっている人達なんだなぁ…、って思っていたものさ。
ところが、どうだい。そのたった2か月後、公明党さんは、「盗聴法」に賛成を決めちゃったんだぜ…。もちろん、浜四津さんも、賛成さ。
「自分達が、権力側に就いた時は、別だ」とでも、仰りたいのですかねぇ…。
***
「ヤフーBB」の顧客情報流出をめぐる恐喝未遂事件で逮捕された、代理店社長・竹岡誠治っツーのがいたけど、ネットで検索してたら、「宮本宅盗聴事件」とかなんとか言われていた時の実行犯だったそうじゃないか…。
あン時の裁判じゃ、公明党の支持母体である「創価学会の組織的犯罪と認定」する判決が確定したそうだけど、山崎正友元顧問弁護士と実行犯の竹岡誠治たち個人の責任にして、学会は、いまだに何の謝罪もしてないそうだ。
「ヤフーBB事件」の、その後の報道によれば、検察は、この竹岡容疑者を、
> 8人分の顧客情報収集にかかわった疑いのあることが判明したが、「証拠不十分」として処分保留で釈放した
ということだそうだ。
「人権」週間などで、国や自治体は「啓発活動」をやってるみたいだけど、「ビラ撒き」や「ハンドマイク」の件と比べると、四百六十万人分のデータと億単位の金の話に、なんか、チョット、バランスが悪いっツーか、恣意的っツーか、そんな気は、俺もしてるけどね…。
まあ、俺は、「ヤフー」じゃなくって、よかったけどさ。
漏らされた人たちには、実害はなかったのかね…。
俺の「ケータイ」も三台目になるけど、あの代理店。前のやつ、チャンとメモリー消去、やってくれてンだろうな…。
チョット、「ヤバ系」のメールも入ってたし…。取り敢えず、後で、確認だけはしておこうか…。
そう言や、武富士の会長らも、去年、「盗聴事件」で、パクられてたよな…。東証一部上場、経団連加盟が、聞いて呆れるよな。
貯金にゃ、ゼロ金利の中で、ン十%もの「利息」を取ってるくせによ…。
お上がやってんだから、みんな、「何が悪いんだ」っツーような軽い気分で、やっ ちまうのかもしれないな。
「この程度の公約違反は、たいしたことではない」「人生いろいろ。会社もいろい ろ」だからな…。
***
近所に住んでた、寅さんの映画に出ていた「タコ社長」似の、「社長さん」も、こ こんとこ、顔を見ないと思っていたら、倒産って話で、大変らしい。
日米両政府からは、武器輸出三原則を緩和するって話も出てるし、石破防衛庁長官 は、憲法調査会で、
> 日本においては、徴兵制は意に反した奴隷的苦役であるとして憲法違反であると の意見がある。しかし、国を守ることが奴隷的苦役であるような国ならば、国家に値 しないと考える
なんて、これまた、政府の言って来たことと違う事を、勝手に言い出したり、総理 は、「集団的自衛権を行使できないのはおかしい。憲法(改悪)ではっきりしてい く」と言って憚らないし…。
これって、近所の「社長さん」も、「構造改革」の一貫として、軍需産業の下請け に入れってことかな…。
400万人にも上ると言われているフリーターは、このままじゃ、男女とも、お互
い、結婚だってできないだろうし、子供だって、欲しくっても、産めないよな…。
「軍隊」に入れば、安定した収入が保証され、「日本防衛」という「誇り」をもっ
て、仕事ができる、「男女協同参画社会」ってことなのかな…。
「ゆうじほうせい」って、飲友達に言ったら、「ユージなんて、法政卒の知り合い には、いネーぜ」なーんて、言ってたっけ…。
***
「ふあーぁ…」
まあ、たかが俺みたいな人間が、一人、ぐだぐだ考えてても、世の中変わる訳でも ネーしな…。
くだらない事ばかり考えてたら、いつの間にか、「演説」も終わってるようだぜ。
今日は、午後から、久し振りのデートなのさ。Jリーグ観戦にネ!
試合前の「君が代」は、メゲるけど、俺たちだけ「起立」しない、っツーのもね…。
その前に、駅前の「ケータイ」の代理店に寄らなくっちゃナ。
さてと、もう一眠りすることにするか…。
***
……………………
ドンドンドン!!
…ん?
だれかがドアをたたいている。
……
外は茶色。
そんなに強くたたくのはやめてくれ。
いま、行くから…。
いま…
***
(これは、「茶色の朝」(大月書店)を読んだ感想を、各報道に基づき、寓話として記したものです。「ニッポンの空気1~5・反響」(東京)、「熱病社会考」(北海道)も、是非、お読みください)