大衆団体は、さまざまな要求に基づいて組織されています。
労働組合、民商、土建、民青、新婦人、年金者組合、健康を守る会、生協、医療生協、借地借家人組合など、大なり小なり日本共産党の影響をうけていると思しき組織が私が知っているだけでも、10個以上あります。かっては、そこにバリバリの党員がいて、大衆の要求の先頭に立って活動していました。
それがいつの頃からか、大衆が主役ではなく、党が主役になるに及んで、大衆のための組織ではなく、党のための下部組織のようになって、大衆活動がしぼんできました。
私の所属するある大衆組織では、選挙になると、支部から班長のところに毎日選挙に関する指示がファックスされてきます。私が班長をやっていた頃は、それらの指示は、全部くず籠に押し込んでしまいましたので、班内は、平穏でした。支部の方でも班に何かを期待して送りつけてくるというよりは、上から来たものを下に流せば自分たちの気休めになるからやるのですが、それを受け取った班長の気持ちは大変なストレスを受けます。
まったく上を向いて活動するか、まったく下を向いて活動するか、どちらかにしないと、班長は上と下のサンドイッチになって身が
もちません。私の場合は、まったく下をむいて活動しました。それでも支部との関係は話し合いを十分しましたので、うまくゆきました。
お金を払ってくれるのは、一人一人の会員さんです。お客さんが喜ぶことをしなければ、組織が発展するわけがないと思います。大衆組織が発展しなければ、民主的党の発展もないと考えます。
ところが、私もよる年波となりましたので、若い党員の方に班長を引き継いでいただいたのですが、どうも彼は、上を向いて活動しようとしているようです。「班会に出る時間がもったいない。回覧だけまわせばすむ話だ」などと言いましたので、ちょっと慄然としました。
いづれ次の班会で話し合えば、他の人の意見もでて、わかってくれるだろうとは思いますけれど。
党員さんは、党員という崇高な任務があるのに大衆活動なんかにわずらわされてたまるものかというお考えがあるのではないかと思います。
党員という任務とはなんぞや、大衆と接することこそが最大の任務ではないかと私は思うのですが、現状では違うようです。
月一回の班会は、選挙の話ももちろんでますが、会員の近況を聞いて機関紙の配達方法も検討しないと、病気の人もでるので、欠かすことが出来ません。ハンカイでおしゃべりする楽しさくらい還元しないと、会費をもらっていて申し訳ないと私などは思うのですが、今度の班長さんは違うようです。班長には、大衆団体内における他の任務は全部免除しているのにそれでもいやがるのは、多分党の任務があるのでしょうが、(それも見たところはなさそうですが)次のハンカイで胸のうちを皆に語ってもらうのは、目下の楽しみでもあり、難題でもあります。