大学院で学ぶ傍ら、大学の法学部で講師のようなこともさせていただいている 者です。
最近、このサイトを知り、多様な議論が交わされていることに感銘を受けました。 過去の様々な投稿を読む中で、思った事が二つほどあったので、投稿してみました。
まず、8月1日の神谷しんのすけさんの一般投稿欄の投稿についてです。私など若
輩者ですから、いくら専門で研究しているとは言っても「憲法信仰」にはついてこら
れない学生と気分としては大差はありません。護憲・改憲という論点にしても、それ
を過去から現在にいたる諸問題を論理的に合理的に考えた上で初めて答えが出るもの
だと考えているので、まず護憲ありきという「憲法信仰」には正直言って辟易します。
もっとも、こんな事を師匠である教授に言うと、当然の如く憲法至上主義のお説教を
聴かされてしまうのですが。
ですから、神谷さんのおっしゃる通り、「憲法は大事である」に至る具体的な筋道
をきちんと示すことこそ、今の若い世代、ひいては多くの政治的感心を持つ国民に対
して行うべき行為なのではないでしょうか。
もっとも、丁寧な説明をしてもなお、「改憲」を主張する人もいるでしょう。しか
し、それはある意味では思想の自由が保障されている証拠でもあるのですから、止む
を得ないとおもいます。肝心なのは、表層的な支持者を増やすことではなく、より多
くの人に護憲の主張の根幹をなす根拠を「認識」してもらうかなのではないでしょう
か。護憲・改憲の判断は、その後になされるものなのだから。
次に、さざ波通信への投稿全般に及ぶことなのですが、切実な要求に対して誠実に
答えていない投稿が散見されるということです。非常に残念な点だと思います。
具体的な投稿の指摘は避けますが、現在困っている人、つまり日本共産党を良くし
たいと集まるさざ波の投稿者・読者の人々を頼りにするべく、藁をもすがる思いで苦
しんでいる現状を投稿している人もいるというのに、あきらかに高見の見物という風
の返答を平然となさる方がいらっしゃいます。
それもまた思想良心の自由であり表現の自由なのでしょうが、今まさに社会的に困
窮している人に対して、励ますわけでもなく、非現実的な話をしたり夢みたいな理論
を語ってみても仕方ありません。ひどい投稿では、「あなたのような人は淘汰されて
も仕方ない」と言わんばかりの投稿もありました。まるで資本家のような言い分です。
このような投稿をしている人が、本当に日本共産党を良い政党にできるのでしょうか?
疑問です。
よく「ネット右翼」が跳梁跋扈するインターネットの現状を批判する意見を見ます
が、このままではさざ波通信はいつしか「ネット左翼」に占領されてしまうのではな
いでしょうか。もっとも、今までにもさざ波通信から追放状態になった方も数名いらっ
しゃるようですから、そういう意味では今のところネット左翼に占領される可能性は
低いのかもしれませんが。
日本共産党さえも警戒する「さざ波通信」だからこそ、ネット右翼が交わすような
罵詈雑言の低級な罵りあいではない、高度な理論に基づく投稿が今後も増えることを
望みます。また、今までにも高度な理論を展開してきた方々には頑張っていただきた
いと思います。