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RE: 経済的制裁には反対です

2004/08/19 本田 40代 会社員

樹々の緑さん、初めまして。本田と申します。

> 経済的制裁には反対です2004/08/16 樹々の緑 50代 会社員
> しかも、1990年から続いた国連主導のイラクに対する集団的経済制裁でさえ、 「フセイン政権ではなく、イラクの民衆を困らせただけだった」と言われています。 とすれば、日本1国による経済制裁が、どれほどの効果を持つか、極めて疑問です。

 お説の通りです。また、イラクに限らず経済制裁がうまく機能した例は無いと言う 他の方の意見も読んだことが有ります。仮に経済制裁をするならば、日本だけでなく 全世界的にやる必要がありますが、韓国の反対が予想されます。もし全世界一致して やったとしても、思うほどの効果は無いかもしれません。
 情けない話で申し訳無いのですが、私は他に有効な方法を見つけることが出来ない のです。

> さらに、北朝鮮人民と強固な連帯の底流を持たない「人権抑圧体制からの解放」 が、「小さな親切大きなお世話」となり、人民の反発を買う結果となる危険が多大で あることは、フセイン政権を倒したイラクの事例で、今まさに明白となっているので はないでしょうか。そうした場合に、本田さんが期待するように、「ソ連・東欧の体 制崩壊」後と同じような政治体制ができ上がり、拉致問題の全容がめでたく解明され る保障は、何もありません。

 これはちょっと当らないと思います。イラクとは異なり軍事侵攻ではなく、あくま で経済制裁ですから。もう一つ、イラクのような民族間・宗派間の対立は朝鮮には基 本的に無いと思います。ですから、金正日の独裁体制が崩れた後、韓国に吸収されれ ば、大きな混乱は無いと思います。必要であれば一時的に中国・ロシアなどを中心に した国連軍がPKOを行うのも良いかもしれません。

> しかし、そうした対民衆援助の実効性確保における困難にも拘らず、工夫を凝ら して、現に北朝鮮の民衆が陥っている窮境に援助の手を差し伸べ続けること、これを 通じて北朝鮮の抑圧された民衆に連帯のメッセージを送り続けることこそが、一見生 温い方策のように見えて、実は、拉致問題を自分たちの狭い利害を護る「拉致カード」 として存分に使っている金正日政権への、痛烈な打撃になるのではないでしょうか。 誰が一番民衆のことを考えていないかを、白日の下にさらすからです。

 それがうまく機能すれば良いのですが、北朝鮮は報道や言論も完全に統制されてい るから、「白日の下にさらす」のは難しいと言うか、無理だと思います。

> 武力行使に限らず、強制(制裁)手段を用いた解決は、当座の用には間に合うこ とがあったとしても、結局は、民族間の感情的痼りを残し、劇薬的な副作用をもたら すものだと思います。

 確かに一時的には副作用があるかもしれない。しかし制裁解除後、国交回復、植民 地時代の謝罪・賠償を誠実に実行することによって、その問題を解決することは可能 だと思います。

> われわれは、日本人拉致が明白な国際的無法行為であるからこそ、その「無法性」 を世界中の人々の目に浮き上がらせる方法を用いることに、腐心すべきではないでしょ うか。そうした、断乎とした国際的孤立こそ、金正日政権が最も恐れていることだと 考えるのですが…。

 もちろんその通りです。その断固とした国際社会の意志を物質的に現すのは今のと ころ、不充分ではあるが経済制裁しかないと考えています。

 実は、南堂久史さんが以前から北朝鮮への対抗策として一般的な経済制裁に反対し、 全く別の「飴と鞭」の政策を書かれています。金正日が退陣すれば金を与え生活を保 証する、逆に固執すれば「金正日の財産の狙い撃ち」=限定攻撃を加える、と言うも のです。
http://www005.upp.so-net.ne.jp/greentree/koizumi/97y_news.htm#14の5月24日
 これは効果も大きいかも知れぬが、金正日がイチかバチかの再度のテロに出る危険 性も感じられ、私は疑問を持ちます。

 また、南堂久史さんは特異な「経済制裁」も書かれています。経済制裁と経済成長 を数年毎に交互に繰り返し、「極端な景気変動を起こすこと」により、国家経済を完 全に崩壊させる、と言うものです。
http://www005.upp.so-net.ne.jp/greentree/koizumi/97t_news.htm#iraq2の4月13 日cの[ 補説 ]
 こちらは説得力のある意見で、試す価値があると思います。

 繰り返しになりますが、私には現状では今までに述べたような手段しか見当たりま せん。対話と圧力を進め、北朝鮮がサボる時は強制力(経済制裁)を用いるしかない と考えています。

以上