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一般投稿欄

金正日による拉致--有島実篤さんへ反論

2004/08/06 本田 40代 会社員

 本田と申します。

 遅くなり申し訳ありませんが、有島実篤さんに反論します。

 その前に、有島実篤さんがこだわる、「日朝間の不正常な関係」について私なりに まとめます。
 私は、日本が侵略戦争の一環として朝鮮半島植民地化などの搾取・収奪・拉致・虐 殺をしたことに対し、韓国とは問題を含みながらも一応の国交回復をしたが、北朝鮮 とは回復せず謝罪・賠償が成されていないこと、が「日朝間の不正常な関係」である と考えます。そして、この問題は速やかに被害者である北朝鮮の立場を配慮しつつ解 決せねばならないと考えます。

 次から、有島実篤さんへの反論です。

「「拉致」についての投稿の訂正」2004/07/27
 その上で確認する。北朝鮮が民主的な国家であったなら、拉致は起きなかったかも しれないが、起きたかもしれない。自由と民主主義を謳う大国が、他国の大統領を拉 致することすらあるのだから。
 同時に、「不正常な関係」が拉致の原因だと断定するのも、原因ではないと断定 するのも正確ではない。正しくは、「拉致は日朝間の不正常な関係にある中で生じた」 と言う、この歴史上の事実に尽きる。

 表現を変えておられますが、拉致と「日朝間の不正常な関係」とに関連があると考 えておられることには変わりはないようです。残念ながら、そのような関連性は存在 しません。

 そもそも北朝鮮が日本人を拉致した理由は、
1. 特殊工作員を養成する為の日本語・日本の風俗習慣の教師にすること。
2. 拉致された日本人に成りすまし、情報収集などの為、韓国・日本などへ潜入する こと。
3. 日本本土非合法上陸任務の成功の物的証拠としたこと(特に、横田めぐみさんのケー ス)。
4. 拉致被害者本人を日本革命用の工作員に仕立てること。
http://www2s.biglobe.ne.jp/~mike/chosen2.htm
であることは、ほぼ間違い無いでしょう(1と2は金正日自身が認めている)。有島実 篤さんも否定されますまい。

 更に、先日私が投稿した、レバノンの女性も拉致した件。これの目的は、北朝鮮へ 「亡命」した元米兵の妻にあてがう為とされています。
http://www.niigata-nippo.co.jp/rensai/n28/n28h2k3m1.html http://www.melonpan.net/letter/backnumber_all.php?back_rid=292897

 それと曽我ひとみさんがジェンキンスさんと結婚したことから類推すると、
5. ひとみさんや横田めぐみさんも、妻候補と言う推測も出来る。

 これらの理由のどれ一つとして、「日朝間の不正常な関係」とは無関係です。 「日朝間の不正常な関係」が有ろうが無かろうが、金父子の独裁体制が、隣国韓国へ の潜入・転覆を企み、その手段として、日本語が出来る人間や日本のパスポートを取 れる人間を利用する為、拉致したと言うのが事実です。

「正義の味方さん、さようなら」2004/07/21
①「拉致家族より金正日の主張を支持します」
 言うまでもなく、拉致に関する両者の主張に関するコメントである。「無条件的に 金正日支持ありき」と言う主張は一度もしていない。

 私は拉致被害者や家族の主張を支持します。その理由は、
1. 金正日が北朝鮮で独裁権力を振るう強者であるのに対し、拉致被害者や家族は権 力を持たない圧倒的な弱者であること。多くの日本国民が彼等を支持するのも、同じ 弱者への共感があると思います。(と同時に、同じ日本人だからというナショナリズ ムによる共感もあります。確かにこの点では愛国主義が排外主義に転じないよう注意 が必要です。でも、だからといって、弱者への共感を否定するのは、誤りだと思いま す。)
2. 金正日の発言には信頼性が乏しいこと。拉致に関しても、下部情報機関が勝手に やった、と言う言い方です。これが嘘であり、事実は金正日自身の直接指示であった ことは、元工作員・元最高幹部の証言で明らかです。
http://www.sukuukai.jp/shiryo/paper02/03.html
http://www.weeklypost.com/jp/020329jp/edit/edit_1.html

②金正日は平壌宣言の中で、「国交正常化交渉においても」、「国交正常化の実現 に至る過程においても」両国間に存在する諸問題に誠意を持って取り組むと表明した。 諸問題には「過去の清算」も「核」も「拉致」も当然含まれるものだ。
その後、北朝鮮側が「拉致」は解決済みという態度をとっているが、その他の問題を も含めた交渉の中でこそ、それを取り上げさせるべきだし、北朝鮮側も取り上げざる を得ないのである。

 この部分は基本的に同感。
 但し、そもそも金正日が拉致を認めてまで国交正常化を急ぐ理由は、その過程及び その後に日本から賠償を引き出し、独裁体制維持の手段としたいからと思われます。 もちろん、最初にも書いたように、日本には本来速やかに賠償に応ずる義務がある。 しかし、拙速に応ずれば拉致問題が棚上げにされる危険性のみならず、北朝鮮独裁体 制温存の片棒を担ぐ危険性すらあるのではないか?!
 今そこで死につつある命を助ける為の緊急援助は急いでやる必要があります。しか し、本格的な援助や賠償は北朝鮮の独裁体制維持の手段とならぬよう、時間をかけ慎 重にやる必要があると考えます。

③拉致家族は、「国交回復交渉よりも拉致問題の解決を優先すべきだ」とし、事実 上国交回復交渉をストップさせた。
 「拉致問題の解決なしに国交回復なし」と言うのとはまるで違う。交渉自体に反対 したのである。

 この部分も基本的に同感。拉致問題交渉と国交回復交渉とを同時に行うべき。もち ろん、その際に個別の作業部会を設置するのを妨げるものではない。
 但し、北朝鮮が拉致問題交渉に真剣に臨まない場合、国交回復交渉をカードとして 使うこともありうる(交渉一時停止や人道援助・本格援助の規模内容など)。

 ④は始めの方に書いているので省略。

⑤過去の清算は、日朝間の問題であると同時に、日本人自身の問題である。規模か ら言っても、時系列からいっても、因果関係から言っても、日本人が清算しなければ ならない過去の重さは、拉致とは比較にならない。拉致家族の心情を無視するつもり はないが、現に起きている在日朝鮮人に対する嫌がらせ、連行され犠牲になった多く の人々に対する償いをどうするのか、われわれの良心が問われているのである。
⑥国民感情や世論は大事です。無視するつもりはありません。 しかし、その時代の世論というものは、積極的に支持するか消極的に服従するかの違 いはあれ、結局その時代の支配者の意思を反映するものです。
 必要なことは、信念を曲げて正義を捨て世論に迎合するのではなく、逆風に抗し孤 独に耐えても自説を貫き、世論を味方にするまでがんばることです。社会主義革命に 限らず、社会を変革すると言うことはそういうことだと思っています。

 ⑤と⑥は理念としてはわかりますが、だからといって拉致被害者や家族やその支持 者を批判する理由にはならないと思います。
 特に、⑥の「必要なことは」以降は一般論として誰にでも当てはまります。ガリレ オにも、有島実篤さんにも、私にも。

以上